「歩、ブライト・オブ・ボルテッカを用意しろ! 瑞樹はそのサポート!」 「おう!」 「はい!」 飛鳥の指示で歩、瑞樹の二人が動く。 「明日香、蓮の二人は歩の援護。明日奈は俺に続け!」 「俺もサポートかよ……ま、仕方ねぇか」 「うん!」 「ええ。行くわよ、飛鳥!」 シルフィーナディアとグロウネクサスが歩の前に立ち、セルハーツとハデスハーツが敵に突撃する。 事の始まりは、新年を迎えた午前0時。突然、全てのネットワークが閉ざされた。 そして、突然バトル・フィールドに現れた謎の敵。 全身を黒い何かが覆っており、その全貌は見えない。が、恐怖を感じる。 たまたま、年越しをショップで迎えた飛鳥達チーム『レザリオン』は、謎の敵を倒す為にコネクトした。 「エアブレード・ストームッ!」 「アイシクル・エッジ」 飛鳥と明日奈が攻撃する。謎の敵が覆っている黒い何かが、二人の攻撃を吸収した。 「吸収した!? 明日奈、『スキル・プログラム』だ!」 「分かったわ!」 明日奈が氷の魔剣を投げる。飛鳥はすぐに受け取った。 二人同時にメモリースティックを差し込む。 「『スキル・プログラム』! 斬王双裂牙ッ!」 二体による斬撃を繰り出す――――が、謎の敵には全く通用しなかった。 飛鳥が目を見開く。同時に、歩が叫んだ。 「どいてろ! ブライト・オブ・ボルテッカァァァッ!」 アルトリアス・ツヴァイから巨大なビームが放たれる。それを確認した飛鳥と明日奈は回避した。 謎の敵を巨大なビームが襲う。 別のショップ。勇治の『チーム・エンジェル』、マリアの『レディエンス・ビューティーズ』も同じだった。 ディル・ゼレイクとセイレント・クイーンが攻撃を仕掛ける。 「出力最大。フルパワーショット」 「ワイヴァーン・キャノンっと」 放たれる攻撃。しかし、謎の敵はそれを容易く吸収した。マリアが驚く。 「何、あの敵? レガリアの攻撃を簡単に吸収して……」 「……マリア、下がっていろ」 「下がる? 私に撤退しろって言ってるわけ?」 「当然だ」 勇治の言葉に、マリアが鋭く睨みつける。 「勇治? そんなに私を怒らせたいの?」 「違う。俺でもこいつは倒せるか分からん」 「え!?」 「ファイナル・インフェルノを撃った後、俺を強制的にコネクト・アウトしろ。お前も一緒だ」 「……分かった。無理しないようにね」 マリアのセイレント・クイーンが姿を消す。それを確認して、勇治がディル・ゼレイクを動かした。 サタン・オブ・マグナムを肩上にまで持ち上げ、その力を解き放った。 「システム移行、サタン・オブ・アブソリュート」 銃身が伸び、禍々しい銃口が姿を見せる。その先には小さな球体が生成され、徐々に大きくなっていく。 「ファイナル・インフェルノ」 放たれた巨大な赤熱の球体。次の瞬間、勇治は目を見開いた。 謎の敵がファイナル・インフェルノを吸収する。それも呆気無く。 さらに別のショップ。『ランドライザー・コマンド』も同じだった。 謎の敵を前に太刀打ち出来ないと判断した『ディフェンド・キング』の晃鉄は、 他の『フォース・コネクター』に連絡が取れるか確認する。 「……無理か。やはり、全てのネットワークが破壊されている可能性が高いようだな」 「では、リ……先代も……!」 リーダーである紅葉が、先代『ディフェンド・キング』のゴウを心配する。 「回線は繋がらないが、先輩の事だ、無事のはず」 「…………」 バトル・フィールドに存在する謎の敵を睨み、拳を強く握る。 「あの敵を倒す事さえ出来れば……」 「無理だ。こちらの攻撃が一切通用しない今、どうしようもない」 全ての攻撃と言う攻撃が通用しない謎の敵。 誰が作ったのかは知らないが、とてつもないドライヴだ。 いや、それ以前に、あの敵はドライヴなのかどうかも分からない。 「勝てるとすれば、4つのレガリアを一つにした『レガリア・フォース』くらいか……」 ブライト・オブ・ボルテッカによる一撃ですら、謎の敵には通用しなかった。 飛鳥が舌打ちする。まだ試していないのは二つ。 「……やるしかない。ファルシオン、グローアップ! バスターファルシオンッ!」 ファルシオンセイバーの刀身が真っ二つに割れ、巨大なビームの刃が現れる。 「全てを断て、ファルシオンッ!」 刃が空高くまで伸びていく。 「バスタァァァ、クラァァァッシュッ!」 振り下ろす。謎の敵を見事、真っ二つに両断できた。 安堵の息をつく飛鳥。しかし、それは一瞬で絶望に変わった。 黒い何かが消え、謎の敵がその姿を見せる。 禍々しい爪、ゾンビのような恐竜に似た頭部。見た事もない巨体。 それはロボットのような機械ではない、化け物だった。 「……何だ、こいつ……!? こいつは、ドライヴなんかじゃ……!」 ドライヴとは全く別の存在。謎の敵が咆哮を上げた。 身体からいくつもの卵の様なものが飛び出し、中からセルハーツと同じ大きさ程度の化け物が姿を見せる。 「増えるのかよ、こいつら!?」 「流石に、この量は無理じゃねぇか?」 「数は……30、40……まだ増えています……!」 歩、蓮、瑞樹が息を呑む。明日香が飛鳥の方を見た。 「飛鳥君……」 「……バスターファルシオンでも倒せない。こいつらを倒す方法は……!」 考える。しかし、何も思いつかない。それでも飛鳥はコンピュータを操作した。 倒す方法は分からない。けれど、分かるのは一つ。明日香達をコネクト・アウトさせる事。 「……明日香、時間は稼いでみせる」 「飛鳥君、時間を稼ぐって……?」 「勇治、マリア、晃鉄さんと連絡を取ってくれ。間違いなく、俺だけじゃ倒せない……!」 「で、でも、飛鳥君だけじゃ!?」 「大丈夫。だから頼むぞ、明日香!」 コンピュータを操作し、自分以外の全員を強制的にコネクト・アウトさせる。 「……見せてやるぜ、セルハーツの恐ろしさを!」 バスターファルシオンを構え、セルハーツが化け物の集団に突っ込む。 舌打ちしながら、勇治がコネクト・アウトする。ファイナル・インフェルノも通用しなかった。 謎の敵を前に、何も出来ずに黙ってみるしか出来ない。 そう思うと、自然と歯を噛み締めてしまう、 「くそっ……!」 「倒す方法ってないものかなぁ……飛鳥と晃鉄がいたら、『レガリア・フォース』でいけるのに……」 「……連れて来れば良い」 「連れて来るって、どこから?」 勇治の言葉に、マリアが首を傾げる。勇治はすぐに答えた。 「探せば良い」 「探すって、そんな簡単に……」 強制的にコネクト・アウトされた明日香は、再びドライヴをコネクトさせる。 「……コネクトできない……どうして……!?」 「ロックしてるみたいね。私達を巻き込まない為に」 「飛鳥の野郎……!」 セルハーツが化け物達を相手に戦う姿を見る。それは、誰が見ても無謀だった。 まだ一体も倒せていない。どんなに攻撃しても、全く通用していない。 「攻撃が通用しねぇ奴を相手に、飛鳥だけで勝てる訳がねぇ……こうなったら、あいつの言うように……!」 「そうね。他の『フォース・コネクター』とどうにか連絡を取るしかないわね」 「じ、じゃあ、俺と瑞樹は『ディフェンド・キング』を……」 「俺は『マグナム・カイザー』と『ストーム・クラウン』を探す。お前ら二人はここにいろ」 蓮、歩、瑞樹が走り出す。途端、明日香が叫んだ。 セルハーツの左腕、右足、背中の武装が化け物に喰われる。セルハーツが倒れた。 「セルハーツがあんな簡単に……!?」 明日奈が驚く。明日香の目には涙が浮かび上がっていた。 「……飛鳥君……飛鳥君っ!」 「……流石にヤバイな……」 セルハーツがまともに動かない。それもそのはず、立つ事すらできていないのだから。 このままだと負ける。いや、負ける程度で済むなら良いかも知れない。 「……くそっ、このまま呆気なく……! くそっ……!」 化け物がセルハーツに迫る。飛鳥は目を閉じた――――途端、化け物達の悲鳴が聞こえた。 目を開く。見た事もない機体が三体、セルハーツの前に立っていた。 雷を纏う剣と、雷の翼を持った機体。 背中に四枚の翼を持ち、さらには赤熱の翼を腕から見せる機体。 そして、純白かつ白銀に輝く装甲と本物のような純白の翼を持った機体。 「……何だよ……? 何が起きた……!?」 『立てるか? いや、ちょっと待っていろ』 純白と白銀の装甲の機体から光が放出される。化け物に喰われたセルハーツのパーツが元に戻った。 「全部元に戻った……!? 一体、これって……!?」 『話は後だ。今は、この化け物達を全部倒す』 「……あ、ああ」 飛鳥が頷く。瞬間、三体が動いた。 腕に赤熱の翼を持ったロボットが化け物達に突っ込む。 『ゴッド・ナックルッ!』 ロボットが両腕から生える赤熱の翼を振るう。 『ゴッド・ストームッ!』 ロボットを中心に赤熱の竜巻が生じ、化け物達を呑み込んで行く。 別の場所で、雷のロボットが化け物の集団の中心に飛び込んだ。 『ライオーシンの力を見せてやるぜ! ライオーブレストォォォッ!』 雷のロボット――――ライオーシンの全身から雷が周囲に放たれ、化け物を焼き尽くす。 ライオーシンが雷の剣を構える。 『行くぜ! 雷牙天翔斬ッ!』 振り下ろす。剣から雷が放たれ、直線状に化け物を倒していく。 仲間が倒された事で、他の化け物達が雄叫びを上げる。純白のロボットが動いた。 『飛べ、ヴァトラス』 純白のロボット――――ヴァトラスが大空を舞う。 『羽ばたけ、太陽の翼ッ!』 純白のロボットが翼を大きく羽ばたかせる。光り輝く羽根が舞い、その羽根に触れた化け物が光へと変わる。 圧倒的な強さで、巨大な化け物が生み出した化け物達が一掃される。飛鳥は目を見開いた。 とてつもない力を秘めた、謎のロボット達。これが同じドライヴだとは思えない。 「プロ仕様……いや、そんなレベルじゃない、よな……」 これだけ強い力を持ったドライヴが存在している。飛鳥は拳を強く握った。 自分の目指す最強領域は、目の前で戦う彼らの姿を見ると、とても遠くに見える。 そう思っていた飛鳥に、ヴァトラスが話し掛ける。 『ぼーっとするな、来るぞ!』 「……!」 巨大な化け物が巨大な炎を吐く。4体はすぐに回避した。 セルハーツを除く3体がそれぞれ剣を構える。 『レジェンド・ヴァァァァァァドッ!』 『ゴッド・ライジングッ!』 『雷神鳴剣! 神凰波ァァァッ!』 放たれる攻撃が巨大な化け物を襲う。そして、3体のロボットに続いて、飛鳥が構えた。 バスターファルシオンが眩い光を発しながら、”究極の光剣”へと姿を変える。 セルハーツに闘気が灼熱の如く燃え上がった。 「天翔蒼破ッ! 絶ッ! 靭ッ! 斬ぁぁぁぁぁぁんッッッ!」 一直線に伸びる波動が巨大な化け物を呑み込む。巨大な化け物が悲鳴を上げながら爆発した。 残っていた化け物達も悲鳴を上げながら、消滅していく。飛鳥は大きく息を吐いた。 ようやく、敵を倒せた。セルハーツに、3体のロボットが集結する。 『どうにか終わったな』 「……ああ。ありがとう……」 礼を言い、飛鳥が苦笑する。 「それにしても、凄いドライヴだな……。そんなドライヴが三体も……」 『違う。俺達のはドライヴじゃない』 「え……!?」 『うん。ゴッドアースは兵機って呼ばれているよ』 『ライオーシンは戦空機だ』 『そして、ヴァトラスは霊戦機だ』 その言葉に、飛鳥が大きく目を見開く。 「兵機に戦空機に霊戦機……それって……!?」 『詳しい事は、俺達でも説明できない。そろそろ時間だしな』 3体のロボットが光に包まれる。そして、姿を消した。 突然の出来事に、飛鳥が唖然とする。 「……夢、だったのか? そうだよな、うん……そうに決まってる……」 まだ、頭の中で整理できていないが、これは夢だと思いたい。そんな飛鳥だった。 「夢だ……夢に決まってる。架空のロボット達が登場するなんて、絶対にあり得ない……」 飛鳥 「と言う事で、2015年の新年エピソードでした……釈然としないけど」 明日香「あはは……」 勇治 「俺の出番が少ない」 マリア「仕方ないわよ」 晃鉄 「今回の元ネタは、アベンジャーズなのか?」 飛鳥 「いや、今更!?」 明日香「流石にそれは……」 マリア「スパロボでも作りたいんじゃないの?」 勇治 「無理だろ」 飛鳥 「まぁ、ドライヴはコンピュータ上の物だし……作るとするなら、『宿命の聖戦』の方だろうし」 明日香「そ、それより、飛鳥君!」 飛鳥 「分かってるよ……さて、気合い入れ直すか」 飛鳥 「皆様、2015年、新年明けましておめでとうございます!」 明日香「2014年も『勇気と希望と愛を』にお越し頂き、本当にありがとうございました!」 飛鳥 「2010年頃からスランプになり、多忙だったり、パソコン壊れたりして更新怠けていた作者ですが、 ようやく復活しそうなので、今年から再度『勇気と希望と愛を』をよろしくお願い致します!」 明日香「私達の『Drive-Connect!』はもちろんですけど、『宿命の聖戦』等の作品もよろしくお願い致します!」 飛鳥 「それじゃ、最後に皆さんもご一緒に!」 『ドライヴ・コネクト! 新年あけましておめでとうございます!』 |
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