Drive-Connect!

 NewYear-Episode in 2015
 『クロスオーバー 奇跡の英雄』



「歩、ブライト・オブ・ボルテッカを用意しろ! 瑞樹はそのサポート!」
「おう!」
「はい!」
 飛鳥の指示で歩、瑞樹の二人が動く。
「明日香、蓮の二人は歩の援護。明日奈は俺に続け!」
「俺もサポートかよ……ま、仕方ねぇか」
「うん!」
「ええ。行くわよ、飛鳥!」
 シルフィーナディアとグロウネクサスが歩の前に立ち、セルハーツとハデスハーツが敵に突撃する。
 事の始まりは、新年を迎えた午前0時。突然、全てのネットワークが閉ざされた。
 そして、突然バトル・フィールドに現れた謎の敵。
 全身を黒い何かが覆っており、その全貌は見えない。が、恐怖を感じる。
 たまたま、年越しをショップで迎えた飛鳥達チーム『レザリオン』は、謎の敵を倒す為にコネクトした。
「エアブレード・ストームッ!」
「アイシクル・エッジ」
 飛鳥と明日奈が攻撃する。謎の敵が覆っている黒い何かが、二人の攻撃を吸収した。
「吸収した!? 明日奈、『スキル・プログラム』だ!」
「分かったわ!」
 明日奈が氷の魔剣を投げる。飛鳥はすぐに受け取った。
 二人同時にメモリースティックを差し込む。
「『スキル・プログラム』! 斬王双裂牙ッ!」
 二体による斬撃を繰り出す――――が、謎の敵には全く通用しなかった。
 飛鳥が目を見開く。同時に、歩が叫んだ。
「どいてろ! ブライト・オブ・ボルテッカァァァッ!」
 アルトリアス・ツヴァイから巨大なビームが放たれる。それを確認した飛鳥と明日奈は回避した。
 謎の敵を巨大なビームが襲う。



 別のショップ。勇治の『チーム・エンジェル』、マリアの『レディエンス・ビューティーズ』も同じだった。
 ディル・ゼレイクとセイレント・クイーンが攻撃を仕掛ける。
「出力最大。フルパワーショット」
「ワイヴァーン・キャノンっと」
 放たれる攻撃。しかし、謎の敵はそれを容易く吸収した。マリアが驚く。
「何、あの敵? レガリアの攻撃を簡単に吸収して……」
「……マリア、下がっていろ」
「下がる? 私に撤退しろって言ってるわけ?」
「当然だ」
 勇治の言葉に、マリアが鋭く睨みつける。
「勇治? そんなに私を怒らせたいの?」
「違う。俺でもこいつは倒せるか分からん」
「え!?」
「ファイナル・インフェルノを撃った後、俺を強制的にコネクト・アウトしろ。お前も一緒だ」
「……分かった。無理しないようにね」
 マリアのセイレント・クイーンが姿を消す。それを確認して、勇治がディル・ゼレイクを動かした。
 サタン・オブ・マグナムを肩上にまで持ち上げ、その力を解き放った。
「システム移行、サタン・オブ・アブソリュート」
 銃身が伸び、禍々しい銃口が姿を見せる。その先には小さな球体が生成され、徐々に大きくなっていく。
「ファイナル・インフェルノ」
 放たれた巨大な赤熱の球体。次の瞬間、勇治は目を見開いた。
 謎の敵がファイナル・インフェルノを吸収する。それも呆気無く。



 さらに別のショップ。『ランドライザー・コマンド』も同じだった。
 謎の敵を前に太刀打ち出来ないと判断した『ディフェンド・キング』の晃鉄は、
 他の『フォース・コネクター』に連絡が取れるか確認する。
「……無理か。やはり、全てのネットワークが破壊されている可能性が高いようだな」
「では、リ……先代も……!」
 リーダーである紅葉が、先代『ディフェンド・キング』のゴウを心配する。
「回線は繋がらないが、先輩の事だ、無事のはず」
「…………」
 バトル・フィールドに存在する謎の敵を睨み、拳を強く握る。
「あの敵を倒す事さえ出来れば……」
「無理だ。こちらの攻撃が一切通用しない今、どうしようもない」
 全ての攻撃と言う攻撃が通用しない謎の敵。
 誰が作ったのかは知らないが、とてつもないドライヴだ。
 いや、それ以前に、あの敵はドライヴなのかどうかも分からない
「勝てるとすれば、4つのレガリアを一つにした『レガリア・フォース』くらいか……」



 ブライト・オブ・ボルテッカによる一撃ですら、謎の敵には通用しなかった。
 飛鳥が舌打ちする。まだ試していないのは二つ。
「……やるしかない。ファルシオン、グローアップ! バスターファルシオンッ!」
 ファルシオンセイバーの刀身が真っ二つに割れ、巨大なビームの刃が現れる。
「全てを断て、ファルシオンッ!」
 刃が空高くまで伸びていく。
「バスタァァァ、クラァァァッシュッ!」
 振り下ろす。謎の敵を見事、真っ二つに両断できた。
 安堵の息をつく飛鳥。しかし、それは一瞬で絶望に変わった。
 黒い何かが消え、謎の敵がその姿を見せる。
 禍々しい爪、ゾンビのような恐竜に似た頭部。見た事もない巨体。
 それはロボットのような機械ではない、化け物だった。
「……何だ、こいつ……!? こいつは、ドライヴなんかじゃ……!」
 ドライヴとは全く別の存在。謎の敵が咆哮を上げた。
 身体からいくつもの卵の様なものが飛び出し、中からセルハーツと同じ大きさ程度の化け物が姿を見せる。
「増えるのかよ、こいつら!?」
「流石に、この量は無理じゃねぇか?」
「数は……30、40……まだ増えています……!」
 歩、蓮、瑞樹が息を呑む。明日香が飛鳥の方を見た。
「飛鳥君……」
「……バスターファルシオンでも倒せない。こいつらを倒す方法は……!」
 考える。しかし、何も思いつかない。それでも飛鳥はコンピュータを操作した。
 倒す方法は分からない。けれど、分かるのは一つ。明日香達をコネクト・アウトさせる事。
「……明日香、時間は稼いでみせる」
「飛鳥君、時間を稼ぐって……?」
「勇治、マリア、晃鉄さんと連絡を取ってくれ。間違いなく、俺だけじゃ倒せない……!」
「で、でも、飛鳥君だけじゃ!?」
「大丈夫。だから頼むぞ、明日香!」
 コンピュータを操作し、自分以外の全員を強制的にコネクト・アウトさせる。
「……見せてやるぜ、セルハーツの恐ろしさを!」
 バスターファルシオンを構え、セルハーツが化け物の集団に突っ込む。



 舌打ちしながら、勇治がコネクト・アウトする。ファイナル・インフェルノも通用しなかった。
 謎の敵を前に、何も出来ずに黙ってみるしか出来ない。
 そう思うと、自然と歯を噛み締めてしまう、
「くそっ……!」
「倒す方法ってないものかなぁ……飛鳥と晃鉄がいたら、『レガリア・フォース』でいけるのに……」
「……連れて来れば良い」
「連れて来るって、どこから?」
 勇治の言葉に、マリアが首を傾げる。勇治はすぐに答えた。
「探せば良い」
「探すって、そんな簡単に……」



 強制的にコネクト・アウトされた明日香は、再びドライヴをコネクトさせる。
「……コネクトできない……どうして……!?」
「ロックしてるみたいね。私達を巻き込まない為に」
「飛鳥の野郎……!」
 セルハーツが化け物達を相手に戦う姿を見る。それは、誰が見ても無謀だった。
 まだ一体も倒せていない。どんなに攻撃しても、全く通用していない。
「攻撃が通用しねぇ奴を相手に、飛鳥だけで勝てる訳がねぇ……こうなったら、あいつの言うように……!」
「そうね。他の『フォース・コネクター』とどうにか連絡を取るしかないわね」
「じ、じゃあ、俺と瑞樹は『ディフェンド・キング』を……」
「俺は『マグナム・カイザー』と『ストーム・クラウン』を探す。お前ら二人はここにいろ」
 蓮、歩、瑞樹が走り出す。途端、明日香が叫んだ。
 セルハーツの左腕、右足、背中の武装が化け物に喰われる。セルハーツが倒れた。
「セルハーツがあんな簡単に……!?」
 明日奈が驚く。明日香の目には涙が浮かび上がっていた。
「……飛鳥君……飛鳥君っ!」



「……流石にヤバイな……」
 セルハーツがまともに動かない。それもそのはず、立つ事すらできていないのだから。
 このままだと負ける。いや、負ける程度で済むなら良いかも知れない。
「……くそっ、このまま呆気なく……! くそっ……!」
 化け物がセルハーツに迫る。飛鳥は目を閉じた――――途端、化け物達の悲鳴が聞こえた。
 目を開く。見た事もない機体が三体、セルハーツの前に立っていた。
 雷を纏う剣と、雷の翼を持った機体。
 背中に四枚の翼を持ち、さらには赤熱の翼を腕から見せる機体。
 そして、純白かつ白銀に輝く装甲と本物のような純白の翼を持った機体。
「……何だよ……? 何が起きた……!?」
『立てるか? いや、ちょっと待っていろ』
 純白と白銀の装甲の機体から光が放出される。化け物に喰われたセルハーツのパーツが元に戻った。
「全部元に戻った……!? 一体、これって……!?」
『話は後だ。今は、この化け物達を全部倒す』
「……あ、ああ」
 飛鳥が頷く。瞬間、三体が動いた。
 腕に赤熱の翼を持ったロボットが化け物達に突っ込む。
『ゴッド・ナックルッ!』
 ロボットが両腕から生える赤熱の翼を振るう。
『ゴッド・ストームッ!』
 ロボットを中心に赤熱の竜巻が生じ、化け物達を呑み込んで行く。
 別の場所で、雷のロボットが化け物の集団の中心に飛び込んだ。
『ライオーシンの力を見せてやるぜ! ライオーブレストォォォッ!』
 雷のロボット――――ライオーシンの全身から雷が周囲に放たれ、化け物を焼き尽くす。
 ライオーシンが雷の剣を構える。
『行くぜ! 雷牙天翔斬ッ!』
 振り下ろす。剣から雷が放たれ、直線状に化け物を倒していく。
 仲間が倒された事で、他の化け物達が雄叫びを上げる。純白のロボットが動いた。
『飛べ、ヴァトラス』
 純白のロボット――――ヴァトラスが大空を舞う。
『羽ばたけ、太陽の翼ッ!』
 純白のロボットが翼を大きく羽ばたかせる。光り輝く羽根が舞い、その羽根に触れた化け物が光へと変わる。
 圧倒的な強さで、巨大な化け物が生み出した化け物達が一掃される。飛鳥は目を見開いた。
 とてつもない力を秘めた、謎のロボット達。これが同じドライヴだとは思えない。
「プロ仕様……いや、そんなレベルじゃない、よな……」
 これだけ強い力を持ったドライヴが存在している。飛鳥は拳を強く握った。
 自分の目指す最強領域は、目の前で戦う彼らの姿を見ると、とても遠くに見える。
 そう思っていた飛鳥に、ヴァトラスが話し掛ける。
『ぼーっとするな、来るぞ!』
「……!」
 巨大な化け物が巨大な炎を吐く。4体はすぐに回避した。
 セルハーツを除く3体がそれぞれ剣を構える。
『レジェンド・ヴァァァァァァドッ!』
『ゴッド・ライジングッ!』
『雷神鳴剣! 神凰波ァァァッ!』
 放たれる攻撃が巨大な化け物を襲う。そして、3体のロボットに続いて、飛鳥が構えた。
 バスターファルシオンが眩い光を発しながら、”究極の光剣”へと姿を変える。
 セルハーツに闘気が灼熱の如く燃え上がった。
「天翔蒼破ッ! 絶ッ! 靭ッ! 斬ぁぁぁぁぁぁんッッッ!」
 一直線に伸びる波動が巨大な化け物を呑み込む。巨大な化け物が悲鳴を上げながら爆発した。
 残っていた化け物達も悲鳴を上げながら、消滅していく。飛鳥は大きく息を吐いた。
 ようやく、敵を倒せた。セルハーツに、3体のロボットが集結する。
『どうにか終わったな』
「……ああ。ありがとう……」
 礼を言い、飛鳥が苦笑する。
「それにしても、凄いドライヴだな……。そんなドライヴが三体も……」
『違う。俺達のはドライヴじゃない』
「え……!?」
『うん。ゴッドアースは兵機って呼ばれているよ』
『ライオーシンは戦空機だ』
『そして、ヴァトラスは霊戦機だ』
 その言葉に、飛鳥が大きく目を見開く。
「兵機に戦空機に霊戦機……それって……!?」
『詳しい事は、俺達でも説明できない。そろそろ時間だしな』
 3体のロボットが光に包まれる。そして、姿を消した。
 突然の出来事に、飛鳥が唖然とする。
「……夢、だったのか? そうだよな、うん……そうに決まってる……」
 まだ、頭の中で整理できていないが、これは夢だと思いたい。そんな飛鳥だった。

「夢だ……夢に決まってる。架空のロボット達が登場するなんて、絶対にあり得ない……」






 飛鳥 「と言う事で、2015年の新年エピソードでした……釈然としないけど」
 明日香「あはは……」
 勇治 「俺の出番が少ない」
 マリア「仕方ないわよ」
 晃鉄 「今回の元ネタは、アベンジャーズなのか?」
 飛鳥 「いや、今更!?」
 明日香「流石にそれは……」
 マリア「スパロボでも作りたいんじゃないの?」
 勇治 「無理だろ」
 飛鳥 「まぁ、ドライヴはコンピュータ上の物だし……作るとするなら、『宿命の聖戦』の方だろうし」
 明日香「そ、それより、飛鳥君!」
 飛鳥 「分かってるよ……さて、気合い入れ直すか」

 飛鳥 「皆様、2015年、新年明けましておめでとうございます!」
 明日香「2014年も『勇気と希望と愛を』にお越し頂き、本当にありがとうございました!」
 飛鳥 「2010年頃からスランプになり、多忙だったり、パソコン壊れたりして更新怠けていた作者ですが、
     ようやく復活しそうなので、今年から再度『勇気と希望と愛を』をよろしくお願い致します!」

 明日香「私達の『Drive-Connect!』はもちろんですけど、『宿命の聖戦』等の作品もよろしくお願い致します!」
 飛鳥 「それじゃ、最後に皆さんもご一緒に!」

  『ドライヴ・コネクト!

   新年あけましておめでとうございます!』




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