Drive-Connect! - SPECIAL EPISODE -

  CONNECT04.『事件発生』



 翌日。世間的には休日とされる日、飛鳥達は謎のドライヴとのバトルを繰り返していた。
「バスターファルシオンッ!」
 セルハーツが光の剣――――全てを断つ剣バスターファルシオンを振りかざす。
「ファイナル・インフェルノ」
 ディル・ぜレイクが巨大な火球を生成して撃つ。
「クイーン・ザ・ブレイク♪」
 セイレント・クイーンが空から大地へと急降下する。
「グラウンド・ヴィオ・クラッシャー!」
 ヴィオ・ガ・ルーンが大地を割る。
「数が多い……まだいるのか……!」
「ファイナル・インフェルノで倒れないか」
「次はワイヴァーン・レイで攻撃してみますか」
「いや、その必要はないみたいだ」
 晃鉄の言葉と共に、謎のドライヴ達が一斉に自爆する。
 残数は無し。やはり、前と一緒のようだ。
「この前と同じ自爆……」
「今回もこれで終了のようだ。報告は俺の方から行っておく」
「任せる。飛鳥、今日もマ○オ○○トをやるぞ」
「やるなよ! つーか、いい加減自分で買えよ!」
「断る」
「断るな!」
「ダメダメ。今日は、遅くなったけど晃鉄の『ディフェンド・キング』就任祝いするんだから。もち、私の部屋で♪」
『断る』
 マリアの発言に飛鳥、勇治、晃鉄の三人が同時に言う。
「今日は、明日香とコンビバトルの予定があるんだよ。そろそろ、明日香もSランクに上がれそうだし」
「飛鳥の家でマ○オ○○トだ。今日こそ、1位で優勝する」
「すまないが、今日はチームの会合だ」
「そんなのは後々!」
 そして、マリアに強制連行されるのだった。



 数日後、『フォース・コネクター』はコネクト協会に召集された。
 今起きている謎のドライヴによる大量発生の件である。
「現在、全国のショップ内に設置しているバトル・フィールドにて、謎のドライヴが大量に発生している」
 画面に表示される映像を見ながら、『マスター・コネクティブ』が話す。
「このドライヴについてだが、『フォース・コネクター』では対処しきれないと『ドライヴ・マスター』が判断した。
 その為、今回の件においては特別措置を実施する」
「特別措置?」
「そうだ。今後、全コネクターはこの件でのみ、特例として対処する事ができる」
「対処って、それじゃ……」
 謎のドライヴが大量に出現した場合、『フォース・コネクター』でなくてもバトルする事ができる。
 特別措置に対し、晃鉄が訊く。
「良いのですか、『フォース・コネクター』以外のコネクターにそれを許可して?」
「無論、『ドライヴ・マスター』による管理は厳しくなるが、仕方ない。
 協会でも謎のドライヴについて調査が行われているが、その間に被害が拡大してはいけない。
 君達には、いつも以上に要請が来るだろう」
「……やはり、『ダーク・コネクター』が関係しているのですか?」
「それも分からない。今分かっているのは、このドライヴ達は大量に出現し、ある一定の戦闘時間後に自爆する。それだけだ」
 コネクト協会でも分からない現在の状況。『フォース・コネクター』である彼らは、ただ頷くだけだった。



 全コネクターによる、謎のドライヴの撃破が決まって1ヶ月。飛鳥はシミュレートしていた。
 母が遺していた手紙に書かれていた『レア・ウェポン』のトレーニングである。
「……なるほど、これが雷聖弓か」
 雷の矢を射る事のできる『レア・ウェポン』。その性能は、弓系のアクティブ・ウェポンとしては相当な代物だ。
 単体で雷の矢を生成して射る事ができるだけでなく、射撃が苦手な飛鳥でもある程度の命中が望める。
「でも、どうして母さんはこれが秘密兵器って……」
 確かに性能は高い。しかし、『ドライヴ=レガリア』のような代物ではない。
 なのに、母はこれを秘密兵器と呼んでいた。それが気になっている。
「母さんに聞けるのが一番良いんだけど……」
 しかし、肝心の母はこの世にはいない。
「……あれから一ヶ月か。」
 あれから1ヶ月。謎のドライヴは大量に出現しては自爆するの繰り返しだった。
 その際、数々のチームやコネクターが戦っている。
 しかし、まだ謎のドライヴについては何も分かっていない。拳をギュッと握る飛鳥。その時、ドライヴが強い反応を示した。
『ダーク・コネクター』とのバトル以来、起こらなくなった『ドライヴ=レガリア』による反応。
 飛鳥がバトル・フィールドを見る――――瞬間、背中に何かが押し当てられた。
「やはり、私のドライヴへの反応は変わらずのようだな」
 その言葉に、飛鳥が後ろを振り向く。二度と会いたくなかった相手がそこにいた。
『ダーク・コネクター』幹部として最強を誇った、忌まわしき男・イブリス。飛鳥が目を見開き、ドライヴを構える。
「イブリス……!?」
「落ち着け。私は戦いに来たのではない」
「……一体、俺に何の用だ?」
「お前に話がある。その為に、お前に近づいただけだ」
 そして、イブリスが飛鳥を見て、ふっと笑みを浮かべる。
「『レア・ウェポン』雷聖弓……聞いてはいたが、お前が所持者だったとはな」
「……違う。これは、俺の母さんがくれた物だ」
「ほう、初代『ソード・マスター』の武器か……。なるほど、だからか」
 一人で何かに納得するイブリス。そのまま話を続ける。
「やはり、お前は面白い。究極のドライヴを生み出し、『レア・ウェポン』に選ばれるとはな」
「……俺に何の用だ?」
「お前にオーバー・スキルについて、話をしておく必要がある」
オーバー・スキル?」
「そうだ。強い意志とドライヴの力を最大限まで引き出せたコネクターのみが使える、最強の技。
 私のセルファレアムレインボーや、お前の技の事をそう呼ぶ」
「俺の技……天翔蒼破絶靭斬……?」
「分かっているようだな。どれほど強大な力なのか、そして、その代償も」
 イブリスの言葉に、飛鳥は頷いた。
 相手をバトル・フィールドの端まで吹き飛ばし、一撃で倒す事のできる力。
 そして、如何なる攻撃や防御すらも受け付けない力。
 その力がどれほど強大であるのかは、使った事のある飛鳥には当然分かっていた。その代償の大きさも。
オーバー・スキルを使える人間は少ない。私でも、知っているのはお前だけだ」
「……どうして、俺にその事を?」
 訊く。なぜ、イブリスが自分にそのような事を教えるのか。イブリスが笑って答える。
「簡単だ。輝凰同様、お前を認めた。それだけだ」
「認めた……?」
セルファレアムレインボーを手に入れた私は、この力があれば誰にも負けないと確信していた。
 しかし、そんな私をお前は倒した。同じ力で」
「…………」
「今回の件、『ダーク・コネクター』は関係無い。『ダーク・コネクター』と言う存在は、既に存在しないからな」
 その言葉に、飛鳥が目を見開く。
「何か知っているのか!?」
「何も知らない。それが、私の答えだ」
「……イブリス、お前は今起きている謎のドライヴについて、どう思っている?」
「良くは思わん。あのドライヴ達は、私とは違う目的で作られているようだからな」
「違う目的?」
「その目的が何なのかは分からない。私の場合は、『ドライヴ・マスター』の破壊が目的だった」
「…………」
「……どうやら、奴らが動き出したようだぞ」
「何……!?」
 その時、ドライヴが反応する。イブリスとの言うとおり、謎のドライヴの出現だ。
 イブリスの事が気になりつつも、謎のドライヴを優先し、コクピットランサーに乗り込む。



 大量出現した謎のドライヴ。飛鳥が速攻を仕掛ける。
「輝凰・斬王陣ッ!」
 剣を大地に突き刺す。大地に注がれたエネルギーが放出された――――が、謎のドライヴには通用しなかった。
 飛鳥の攻撃を読んでいたのか、空中に回避する謎のドライヴ。飛鳥が目を見開く。
「回避した……!? 前はそんな事……」
「ほう、斬王陣を回避するほどの性能か」
「……! イブリス!?」
 飛鳥のセルハーツの前に立つ、イブリスのエヴィル・アスラフィル。
「ボルト・プロディネンス」
 放たれる雷が謎のドライヴを破壊していく。飛鳥は目を疑った。
「……イブリス、何で……!?」
「言ったはずだ、お前を認めたと。これを使ってみろ」
 そう言って、セルハーツにデータを送信する。
「これは……!?」
「お前なら使えるはずだ。輝凰の後継者であるお前ならば」
「……よし。やるぞ、イブリス!」
 飛鳥が受け取ったデータをセルハーツに読み込ませる。そして、剣を大地に突き刺した。
 それを見ていたイブリスが、飛鳥に合わせるかのように剣を大地に突き刺す。
「『スキル・プログラム』! 輝神! 鳳凰斬王陣ッ!」
 大地に突き刺さった剣からエネルギーが、天へと昇る鳳凰の如く放出される。
 放たれた攻撃に呑まれていく謎のドライヴ。イブリスがふっと笑った。
「それでこそ、輝凰の見つけたコネクターだ」
 そう言って、エヴィル・アスラフィルが姿を消す。
「……ありがとう、イブリス。さあ、残りを倒していくか……!」
 そう思った矢先、やはり、倒し損ねたドライヴ達が一斉に自爆していく。
 もはや慣れてしまった飛鳥にとっては、溜め息が出るものになっていた。
「……ったく、一体何なんだ、本当に……」



 謎のドライヴの撃破を終えた飛鳥は、イブリスの言葉を思い出していた。
 何らかの目的で動いている。その目的が分かれば、敵が何者なのか分かるのかもしれない。
「ん? 電話?」
 ドライヴの着信に気づき、電話に出ようとする。その時、着信が途絶えた。
 否、電波が圏外になっている。
「圏外? 何で?」
 首を傾げる飛鳥。そして、バトル・フィールドが騒がしい事に気付いた。
 チーム戦を行っていたと思われる複数のドライヴが、謎のドライヴの襲撃を受けている。
『な、何だよ、こいつら!? この前まで弱かったのに……!?』
『攻撃が当たらない……命中率高いはずなのに……』
「これは……――――!?」
 ドライヴが強い反応を示す。今までにない、初めて見る反応の仕方だ。
「この反応……何が起きてるって言うんだよ……!?」

『フフフフフフッ……感謝するよ、全てのコネクターの諸君……』

 ショップ内のアナウンスから聞こえる声。そして、バトル・フィールドに映像が映し出された。
 白衣を纏い、眼鏡を掛けた長髪の男の映像。
『初めまして。私の事はドクター・ググロと呼んでくれたまえ』
「ドクター・ググロ……!?」
『まずは、私の研究に協力してくれてありがとう。お陰で、全ての計画が順調に行ったよ。
 長年の夢だったドライヴを完成させてくれて、本当にありがとう』
「どう言う事だ……?」
『君達が戦ってくれたドライヴ達は、君達のドライヴの戦いを記録してくれる為の媒体だったのだよ』
「記録……まさか……!」
 飛鳥が目を見開く。今までの謎のドライヴの出現と自爆には、明確な目的が存在していた。
 戦闘したドライヴの戦いの記録。そして、その記録を元にドライヴを完成させる。
 それが、ドクター・ググロの目的だ。
『君達のお陰で、私の最高傑作は完成した。私は、君達にとっての神となったのだよ。
 今君達が戦っているドライヴ・アンブロッドには、君達の戦い方を組み込んでいる。
 君達コネクターは、私に従う以外無い』
「なるほど……さっきの戦いで輝凰・斬王陣を回避したのも……!」
 前の戦いで輝凰・斬王陣を使った為。それを記録し、データとして組み込んでいたのだ。
 だからこそ、輝凰・斬王陣を回避できる。当たらないと言う事。

『今、コネクトしていない人間のドライヴは全て、私が支配している。ドライヴ・マスターは私の手中にある。
 私に忠誠を誓いなさい。これからも、コネクターでいたいのであれば……フフフフフフッ!』



次回予告

 明日香「まさか、イブリスが再登場するなんて思わなかったね……」
 飛鳥 「うん。俺も正直驚いた。しかも、俺に凄い事教えてくれるし」
 明日香「って、それよりも! 飛鳥君……!」
 飛鳥 「分かってるよ。ドクター・ググロ……一体、何者なんだ……!?」

  次回、CONNECT05.『プロジェクト・アルティメット』

 飛鳥 「ドクター・ググロ、俺はお前を絶対に許さない……!」

 明日香「次回は、誰もが予測不能の展開!?」
 飛鳥 「いや、予測している人は絶対いるだろ」
 明日香「そ、それは……」
 飛鳥 「それじゃ、次回をお楽しみに。ドライヴ・コネクト!」
 明日香「ど、ドライヴ・コネクト! 飛鳥君が冷静過ぎるよ!?」



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