CONNECT19.『激突、二つのレガリア!』


 刀身にいくつもの円状の帯がある。飛鳥はそれを見て舌打ちした。
「……デスブレード・ラグレオス! 完全にラグレオスセイバーの力が目覚めた……!?」
『蓮杖飛鳥ぁぁぁああああああっ!』
 剣が振り落とされ、巨大な暗黒の刃が放たれる。セルハーツは回避行動を取った。
 しかし、攻撃のスピードは速く、回避が間に合わない。
「くっ……!」
 瞬時に『鷹の瞳』を使い、受け止める。左肩の装甲を奪われた。
「左肩損傷……くそっ!」
 真の力を引き出していないとは言え、デスブレード・ラグレオスはファルシオンセイバー以上だ。
『鷹の瞳』でどうにか攻撃を見切り、ダメージを最低限にまで抑えたが、危険な状態だ。
 しかし、ここで『ドライヴ=レガリア』の真の力を引き出すわけにはいかない。
「……今力を解放すれば、間違いなくセルハーツへの負担が大きい」
 そう、紫電とレガリアなしで決着をつける為にも、できるだけ負担は少なくしたい。
 ファルシオンセイバーの力を解放すれば、間違いなくデスブレード・ラグレオスは破壊できる。
 だが、それは紫電と同時に倒す事になる。それだけは避けたい。
 何か手段はないのか、と舌打ちしつつ、飛鳥がセルハーツを操作する。
「エアブレード!」
『うぉぉぉおおおおおおっ!』
 放たれた風の刃が、暗黒の刃の前に、呆気なく散る。



 未知数の力を持つ『ドライヴ=レガリア』を真似て『ダーク・コネクター』の総帥が作り出した力。
『ダーク=レガリア』と呼ばれる武器は、『ダーク・フォース』の憎しみを力とする。
 その力を解放した姿を見て、ガルノアが呟く。
『……あれを破壊する事ができるのは、バスターファルシオンのみ。どう動く、ソード・マスターよ』
『詳しいのね、ガルノア……あなた、一体何者?』
『私は全てを悟りし者だ。……私は、この戦いの結末はソード・マスター次第だと考えている』
 そう、『ソード・マスター』の戦い方次第で全てが決まる。
 最強の剣を持つコネクター。その強さは、自分が初めて負けた相手に似ているはず。
 同じ強い意思に満ちた瞳を持つ今度の『ソード・マスター』こそ、最強のコネクターだ。
 ガルノアの言葉に、明日奈が首を傾げる。
『飛鳥次第……飛鳥は負けるかもしれないって言いたいの?』
『その通りだ。少なくとも、バスターファルシオンでなければ、あの剣を破壊する事などできん』
 今までにない鋭い瞳で、その戦いを見る。



 激闘を繰り返す。飛鳥は肩で一呼吸した。
 その力を解放した『ダーク=レガリア』の前に、攻撃が全く通用しない。
 紫電が咆哮を上げ、その剣を振り上げる。
『うぉぉぉおおおおおおっ! 蓮杖飛鳥ぁぁぁ!』
 振り落とされる。暗黒の刃が執拗にセルハーツを襲う。
 ファルシオンセイバーを巧みに動かし、受け止める。そして、軌道を反らした。
 かなり高度な操作。「違う」と飛鳥は言葉を吐いた。
「……紫電の戦い方は、『斬り』じゃない。俺の知っているあいつの戦い方は、間違いなく『突き』だ」
 そう、紫電は槍による突きの攻撃が得意だ。剣による斬りは、彼自身の強さではない。
 間違いない、デスブレード・ラグレオスの力が、紫電を操っている。
「となると、紫電を助ける方法は……やはりラグレオスをぶっ壊すしかない!」
 しかし、今のままでは破壊する事は難しい。
 レーヴァティンが襲い掛かる。
「くっ、ミラージュ・ブレイド!」
 ファルシオンセイバーとデスブレード・ラグレオスが激しくぶつかり、バトル・フィールドを震撼させる。
 しかし、パワー負けしたのはセルハーツだった。吹き飛ばされ、レーヴァティンとの距離が広がる。
 性能の差は明らかだ。明らかに、レーヴァティンの方が強い。
 セルハーツがファルシオンセイバーを両手で持ち、天空へと掲げる。
「……ファルシオン、封印解除! バスターファルシオン、グローアップッ!」
 コンピュータが「OK!」を表示する。刀身が真ん中から綺麗に割れ、柄部分まで倒れる。
 刀身があった部分から、空へと真っ直ぐに青い刀身が伸びる。
 セルハーツの全長はある、全てを断つ力を持った『ドライヴ=レガリア』の真の姿。
『蓮杖ぉぉぉっ!』
 紫電がそれを見て咆哮を上げる。そして、暗黒の刃が放たれた。
 飛鳥の瞳が鋭くなり、それを見切る。バスターファルシオンが暗黒の刃を断つ。
 その力は、圧倒的にデスブレード・ラグレオスを上回っている。
「エアブレードッ!」
 巨大な風の刃が放たれる。レーヴァティンは上手く避けた。
 バスターファルシオンとデスブレード・ラグレオスが激しいぶつかりを見せる。
「うぉぉぉっ!」
『蓮杖ぉぉぉっ!』
 二体のドライヴが立つ場所を中心に、衝撃波がバトル・フィールド全体に伝わっていく。
 その時、デスブレード・ラグレオスにわずかな亀裂が走った。
 紫電が目を見開く。飛鳥はそれを逃さなかった。
 集中力を高め、バスターファルシオンの力を全て出し切る。
「ぶっ壊れろ、ラグレオス! バスタァァァ、クラァァァッシュッ!」
 デスブレード・ラグレオスとのぶつかり合いを止め、飛鳥が攻撃を仕掛ける。



 一閃。まさにそう言える状態だった。
 バスターファルシオンの刀身が見事、デスブレード・ラグレオスのみ突き刺さり、破壊した。
 刀身が砕け、その姿を失う『ダーク=レガリア』。誰もが飛鳥の勝利を確信した。
「紫電、まだ決着はついてないぜ」
 バスターファルシオンがファルシオンセイバーへと戻る。
 そして、セルハーツがファルシオンセイバーを大地に突き刺した。
 腰に装備しているプラズマセイバーを手に、飛鳥が言う。
「決着つけようぜ、あの時の。俺とお前、真の『ソード・マスター』を賭けた公式戦だ!」
 飛鳥の突然の言葉に、紫電は目を見開いた。



次回予告

 飛鳥です。
 ダーク=レガリアを破壊した俺は、紫電に公式コネクト・バトルを叩きつけた。
 レガリアなんて必要ない。俺とお前、あの時のバトルの続きだ!

 次回、CONNECT20.『究極の光剣』

 ドライヴ・コネクト! 決着つけようぜ、真のソード・マスターを賭けた決着をな!



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