「……『至急、コネクト協会に来たれり』って……ここからコネクト協会は1時間かかるぞ、おい」 『アサシン・ブレード』とのバトルから翌日。飛鳥は母の墓参りに来ていた。 「……とりあえず、遅れると言う事を伝えとくか」 墓参りの途中で『ドライヴ・マスター』から呼び出されるとは思ってもいないが、理由は大体予想できる。 おそらく、『ダーク・コネクター』の事だろう。相変わらず、こう言った事は早い。 「召集がかかったから、そろそろ行くね。今度は父さんと一緒に来るから」 母の墓に一礼し、そして急ぐ飛鳥だった。 暗い闇の中に一つだけ無気味に光る液晶画面。その部屋で、彼は『ソード・マスター』の戦いを見ていた。 いつ見ても、その戦い方は凄まじく、それでいて粗のない美しい戦い方。 『アサシン・ブレード』が倒されたのも当然か、とつい思ってしまう。 「……それでアイス・ドール、全てを悟りし者が裏切ったと?」 『はい。いかがなさいますか、ファイナル・ロード様』 バトルを映し出している液晶画面の隣にある液晶画面に映る人影が訊く。 『ファイナル・ロード』と呼ばれた彼は、すぐに答えた。 「裏切り者である2名は放っておけ。ただ幹部でしかなかった存在だからな」 『分かりました。では、今後は?』 「レガリアを手に入れる。剣と銃のレガリアをな」 表示した一体のドライヴを見つつ、不気味に言う。 コネクト協会中枢部。ドライヴの全管理を担うマザー・コンピュータ『ドライヴ・マスター』が存在する場所。 飛鳥の到着を待つメガネをかけたやや中年の男は、静かに『ドライヴ・マスター』の状況を見る。 そんな時、飛鳥が到着した。 「遅くなってすみません」 「遅れた理由は?」 「母の墓参りです」 「……そうか。席に座って楽にしてくれたまえ。今日呼んだのは、君と個人的に話がしたかっただけだからな」 飛鳥が席に座る。男は、飛鳥の前にモニターを表示し、一つのバトルを見せた。 剣で旋律を奏でているかのように美しい戦いを見せる一体のドライヴ。男が口を開く。 「このドライヴに乗っていたのは、初代『ソード・マスター』だ」 「初代……!? 『マスター・コネクティブ』、もしかして……」 飛鳥に対し、男は頷く。『マスター・コネクティブ』とは、コネクト協会の最高責任者だ。 マザー・コンピュータ『ドライヴ・マスター』の管理、『フォース・コネクター』への指令を出す存在。 『マスター・コネクティブ』は、静かに言う。 「黙っていたが、君が蓮杖春香の息子だと言うのは知っていた。蓮杖と言う名は、結構珍しいからね」 「……いつから、ですか?」 「君と会った時からだ。初代『マグナム・カイザー』としての感覚で、君の雰囲気が彼女に似ていた」 母のバトルの映像から、昨日のバトルの映像に切り替わる。飛鳥はそれを見て目を見開いた。 剣で旋律を奏でるかのような巧みな戦い方。それは、先ほど見た母の戦い方と似ていた。 「君はどうやら、無意識のうちに母親と同じ戦い方を身に付けた」 マスター・コネクティブが言う。そして、また映像が切り替わる。 母の乗るドライヴがファルシオンセイバーを構え、ファルシオンセイバーが光り輝く剣へと変わる。 そして放たれる一直線に伸びた波動が相手を呑み込んだ。 「これは……!?」 「そうだ。君が放った技だ。君の母は、あの技を”天翔蒼破絶靭斬”と呼んでいた」 「あれが、”天翔蒼破絶靭斬”……!」 「そう彼女は呼んでいた。長時間のクールダウンを代償とする、一撃必殺と呼べる”究極の光剣”。 今までの『ソード・マスター』が実現しようとしても、全く出来なかった技だ」 「全く、ですか?」 「そうだ。あの技のデータはなく、不可解な部分が多い。君の母である蓮杖春香こそ、過去最強のコネクターだ」 先代『ソード・マスター』を誰もが最強のコネクターと呼んでいるが、初代には及ばない。 マスター・コネクティブのその言葉に、飛鳥が目を見開く。 先代は自分が憧れ、そして過去最高とも言えるバトルをした相手だ。そんな相手でも、母には及ばない。 「君の母は、君の事をとても愛していた。私の知っている蓮杖春香の事は、それくらいだ」 「……そうですか。ありがとうございました。そうだ、『ダーク・コネクター』だった二人について……」 「『ドライヴ・マスター』の判断は、君と同じだった」 「本当ですか!?」 「うむ。ただし、君に『ゴッドランクアップ・トーナメントへ出場し優勝する事』が条件だ」 それを聞いて、飛鳥が肩を落とす。「勘弁してください」と言わんばかりに。 ゴッドランクアップ・トーナメント。それは、無条件で上位ランクにランクアップできるトーナメントだ。 SRランクへのランクアップも可能とするトーナメントだが、その難易度は恐ろしく高い。 『フォース・コネクター』でも危険を意味し、下手すれば負ける時もある。 「……今俺が負けると、ファルシオンセイバー狙われますよ、確実に」 「大丈夫だ。なにせ、今の『ソード・マスター』は初代の息子だからな」 「……分かりました。やります」 反抗はできないと分かっている為、すんなりと了承する飛鳥だった。 前日の飛鳥のバトルは、予想通りファンの人気をさらに高めていた。 サングラスとベレー帽で一応身を隠している『ストーム・クラウン』のマリアは、その様子を見て苦笑する。 「やっぱり、飛鳥は人気だな〜。こりゃ大変だわ」 コネクターにデビューして、約四ヶ月で『ソード・マスター』になった天才の中の天才。 そんな飛鳥の人気は、まだ上がっていくようだ。ある意味、テレビに出てくるアイドルを超えている。 いや、テレビに出たら、間違いなくその番組の視聴率は跳ね上がるだろう。 「飛鳥って、コネクターのカリスマよね、まさに」 「マリア様、お待たせしました」 そんな事を思っていたマリアに話し掛ける一人の女性。フリルのついた服装は、お嬢様を思わせる。 彼女を見て、マリアは「ん〜」と返事した。 「ねぇ、セリホ。いい加減、服装変えたら? お嬢様なのは確かだけど、それだと浮いてるし」 「大丈夫ですよ。マリア様より魅力的ではありませんので」 「そうなんだけどね。でも、それってゴスロリよ、まさに」 「大丈夫ですよ。マリア様より目立ちませんし」 話は通ってなかった。「ま、いっか」と苦笑しつつ、時間を確かめる。 予定の時間まで残り5分。一人はともかく、もう一人がこんな時間になっても来ない事が意外だった。 いや、ようやく来た。二人揃って。ショートカットでボーイッシュな子とツインテールの子の二人。 「あーうー、美代子先輩、ディル・ゼレイクのプラモくらい買わせてくださいよ〜」 「何言ってるのよ。3時間待ちで並んでたら、約束の時間に間に合わないでしょ!」 「ようやく今日のメンバー、全員揃いましたね」 「……そうね。それにしても、ディル・ゼレイクのプラモで3時間待ちって、どう言う事?」 マリアが首を傾げる。最近では、『フォース・コネクター』のドライヴを模造したプラモが人気だった。 しかし、『ドライヴ=レガリア』は付属されていないのだが、なぜ人気なのか謎である。 「ねー、紘美。何でプラモで3時間待ち?」 「マリア様、知らないんですか? 今、ディル・ゼレイクは限定のブラックメッキなんですよ!」 「別に買わなくて良いじゃない」 「あー、分かってないですね、美代子先輩! セルハーツとディル・ゼレイクは超超超人気なんですよ!」 「私のムササビ丸は?」 「え!? あー……」 ショートカットの女の子――――港紘美(みなと ひろみ)が黙り込む。 「こら。ムササビ丸は?」 「ムササビ丸は、可変機構持ってるから人気あったけど、メッキ仕様になるほど人気じゃないらしいぞ」 「なるほど。って、ちょっと、どう言う事――――」 その姿を見て唖然とする。マリアは、そこにいるプラモを買ったと思われる袋を持った飛鳥を見た。 意外と大きめの袋。マリアがやや唖然としたまま訊く。 「……何やってるの、飛鳥?」 「……いや、つい先代『ソード・マスター』のドライヴのプラモが欲しくなって」 「あのね……。と言うか、どうして飛鳥がここにいるの? 場所的には遠いのに」 「コネクト協会の帰りだったんだよ。それで、たまたま寄ったら、売ってたって事で……」 意外と照れる。そんな時、紘美が飛鳥を見て大声を上げた。 「あー、『ソード・マスター』!」 「ちょっと待てい! いきなりそれを言わない! って、ショップにいる人全員に聞こえてるし!?」 「まー、今回は私が主役だし」 「いや、意味も繋がりも分かんないって! つーか、状況的にヤバイし!?」 プラモを大事そうに抱える。ファンの人に押し寄せられて壊されたら嫌だから。 マリアがポンポンと肩を叩く。 「大丈夫大丈夫♪ ほら、言うじゃない。『能ある鷹は恥隠す』って♪」(←絶対に間違える人) 「流石はマリア様、素晴らしいお言葉ですわ」(←分かってても絶対に訂正しない人) 「なるほど……才能あるから、自分の恥を隠したいんですね! 勉強になります!」(←間違った意味で覚える人) 「いや、それはそれで合ってるかもしれないけど、恥隠すんじゃなくて爪隠すだから! つーか、ここで使う言葉じゃないし! って、今回ファンの人動き早過ぎ!?」(←そしてツッコミ担当) 「うん、そりゃそうでしょ」 「マジかぁぁぁ!?」 ドタドタと迫る『ソード・マスター』のファン。飛鳥は『鷹の瞳』を使った。 ファンの動きを全て見切り、その縫い目を走り去る。 流石は、天才の中の天才である。ツインテールの女の子が「大変だよね、蓮杖君も」と呟いた。 「そう言えば、美代子は飛鳥と同じ学校だっけ?」 「はい。ついでに、同じクラスですね。『マグナム・カイザー』も」 マリアの問いに、ツインテールの女の子――――浅倉美代子(あさくら みよこ)が答える。 そして、お嬢様であるセリホが「皆さん、揃いましたね」と手を合わせる。 「えっと、今回は『ランドライザー・コマンド』とバトルの予定ですので」 「ゴウのチーム? ゴウ達が来るの?」 「いえ、ゴウ様のチームの二軍だそうです」 「なるほど、こっちの強さを知らずに挑んできたと見た」 最強チームの一角である『ランドライザー・コマンド』は、そのメンバーの多さから、一軍と二軍がある。 二軍のメンバーの強さは、稀に一軍メンバーに匹敵するらしいが、そこまで敵ではなかった。 「んじゃ、パパッと終わらせないとね。それで、皆でタイヤキでも食べなきゃ」 「あ、今ダイエット中なので遠慮しておきます」 「え、美代子先輩、ダイエット中なんですか!?」 「無理なダイエットは危険ですよ〜?」 「そこまで太ってないじゃない。もしかして、飛鳥の気を惹こうとしてたりする?」 マリアのその言葉に、美代子が顔を真っ赤にして否定する。 「そ、そんな訳ないじゃないですか! 最近体重が気になるだけです!」 「あ、飛鳥」 「え!?」 「なんて嘘♪ 気にし過ぎよ、美代子」 「ま、マリア様!」 顔を紅潮させる美代子を見て笑うマリア。やはり、飛鳥の人気はここでも高かった。 紘美が首を傾げる。 「でも、『ソード・マスター』って結構人気ですよねー。どうしてだろ? 美代子先輩も惚れてますし」 「簡単よ、無敗記録を伸ばしてるし、結構イケメンだしね」 「お強いですからね、蓮杖君は。お父様も結構優秀な方だと、父からお聞きしておりますし」 「あー、セリホと飛鳥って知り合いだっけ」 「はい。父が言うには『優秀過ぎて手に負えない部下』だそうです」 どうして、このチームには『ソード・マスター』の知り合いが多いのだろうか。 そんな事を思っていると、対戦相手が間もなくしてやって来た。 なぜか、全員緑色のジャケットを着ている。「チームを意味する証とか?」などと思ったりする。 「やぁやぁやぁ、我こそは孫悟空なり」 「どこぞのパクリはやめい!」 「そう言う馬鹿な事言うから、俺らって一軍に入れないんだろうなぁ……」 「それ言うなよ。俺ら四人、一応全員がAランクだけどよぉ」 お笑いカルテットだった。 「……ゴウも大変ね。一軍に真面目な子が一人の事を考えて、一軍のメンバー決めてそうな気がする」 当然、その真面目な子と言うのは、『ランドライザー・コマンド』のサブリーダーの事だ。 セリホが対戦相手に深く頭を下げる。 「本日は、バトルの申し込みありがとうございます」 「ういやっと、こちらこそ! いやぁ、ダメ元でライバルチームに申し込んでOK出してもらえましたし」 「ういやっとって何やねん!?」 「名古屋名物とか」 「それはういろう! ういやっとって、某自由ガ○○ムの翼を展開した状態の事だろ?」 「それはハイマットモードやねん!」 「下手なお笑いはそこでストップ。とっととバトル始めるわよ。ただでさえ出番ないんだから」 対戦相手のお笑いカルテットに水を差し、ドライヴを手にするマリア。 ――――そのバトル、合意と確認しましたっ! バトル・フィールド中心に穴が開き、そこからタキシードを纏ったおじさんが出てくる。 「『ダーク・コネクター』のせいで出番が少ない、皆の憧れるリュウマチ小暮さんですっ!」 「誰も憧れてないよー。マリア様、最近の審判さん、変じゃないですか?」 「出番が少ないから、色々と目立ちたいんでしょ? 最近微妙なシリアス展開多いし」 「……マリア様、さっきから一体何を言っているんですか?」 「一応、企業秘密」 審判がルールを説明する。 「ルールは4対4の総当たり戦! 先に相手チームを全滅させたチームが勝利です。 なお、今回はSランク・コネクターは60%、『ストーム・クラウン』は40%のパワーゲージ制限とします」 「60%もカットするわけ? ま、レガリア使用禁止よりは良いわね」 「先輩、バトル終わったらチョコレートパフェ食べましょーよ!」 「だから、私は今ダイエット中って言ってるでしょ!」 「こらこら、バトルが終わったらタイヤキよ、タイヤキ。チョコは飽きてるし」 「マリア様は洋菓子より、和菓子が好きですからねぇ」 緊迫感のない最強の女性チームが、次々とコネクトしていく。 「おっと、俺らも馬鹿な事やってねぇでコネクトするぞ!」 「馬鹿な事やり出したのはお前だろ、お前!」 「人生苦もありゃ楽もある」 「今使う言葉じゃねぇって!」 馬鹿四人もコネクトする。 巨大な岩が無数に立つバトル・フィールド。そこに、ムササビ丸をはじめとするドライヴが構築される。 六枚の翼を持った戦乙女のドライヴ。格闘ファイター風のドライヴ。そして、漆黒の女性型のドライヴ。 漆黒の女性型のドライヴに装備されている両肩のゴッドランチャーは、あるドライヴを思わせる。 「さ、ウィナルティで張り切らせてもらいますよー!」 「ほどほどにしてね。たまにアンセリナを攻撃する事あるから」 「……紘美、そろそろ装備変更したら? ただでさえ、ゴッドランチャー二つは重いんだし」 「ダメです! 憧れの『マグナム・カイザー』(特にディル・ゼレイク)と同じにしたいんです!」 「ディルはゴッドランチャー二つじゃなくてツインゴッドランチャーなんだけど」 確かに、エネルギー消費や重量は同じだが、威力が違う。 対戦相手のドライヴも構築される。それを見て、マリアは肩を落とした。 桃太郎をはじめとする、犬、キジ、猿のドライヴが、目の前に姿を見せる。 「……何、桃太郎御一行?」 『俺のは猿じゃねぇ! これでも、孫悟空をイメージしたドライヴ、ロンカイトだ!』 『いや、どう見えも猿だろ。それも、手長猿』 『何をぉ!? そう言うお前のは犬じゃねぇか!』 『違う! ウルフレイダー、オオカミ型だっつーの!』 『二人とも落ち着けよ……』 『桃太郎は黙ってろ!』 『誰が桃太郎だ! この武王は、侍型だ!』 『でも、どう見たって桃太郎だよね。後ろの旗とか』 『キジ野郎、ふざけた事言ってんじゃねぇぞ!』 『キジ言うな! 俺のウィーガームは不死鳥型だ!』 内戦勃発中。マリアが「やっぱりお笑いよね」と呟く。 「けれど、あれはもうウケ狙いとしか言い様がないですね」 「お猿さんに、ワンちゃんに、小鳥さん可愛いですね〜」 「……セリホ、どっかずれてない? とにかく、あのキジは私が相手するから、セリホと紘美は猿の方お願い」 「マリア様、私は二体ですか?」 「できる? 美代子くらいの実力なら、同ランク二体が相手でも平気だと思ってるけど?」 「……大丈夫です。やれます」 格闘ファイター型のアンセリナが構える。審判が腕を振り上げる。 「それでは、コネクト・バトル……ファイトォォォッ!」 バトル開始。先手を打ったのはマリアだった。 ムササビ丸が竜型へ変形し、その牙を向ける。 「ドラゴンが鳥を食べる、なんて事は絶対にないけど、噛み付くとどう?」 キジ型のドライヴの翼を噛み砕く。呆気なく翼を破壊した。 片翼を失ったキジ型ドライヴが、大地へと真っ直ぐに落下する。 『俺の出番終わりぃぃぃ〜!?』 「そう言う事でしょうね。……結構呆気なかったけれど」 ムササビ丸の攻撃力はそれほど高くない。マスコミなどの評価でもBランクが良いところだ。 そんなムササビ丸でも一撃で倒せたドライヴは、かなり装甲が薄いと言える。 真っ直ぐに落下したキジ型ドライヴは、大地に強く叩きつけられて戦闘不能になる。 『キジじゃねぇ……ウィーガームだぁぁぁ……』 二対一。しかし、それでも美代子にとっては優勢だった。 アンセリナの拳で桃太郎型ドライヴの刀を受け止める。 「そこ!」 『マジ!?』 「はぁぁぁっ」 そして、左拳による連続打撃。左拳から炎が溢れ、桃太郎型は素早く防御した。 防御を取った相手に、右拳にエネルギーを溜め、巨大な重力波を生み出す。 「イラーヴァリティ・グラビレイド!」 重力波を叩き込む。桃太郎型の両足が大地に沈む。 『げっ、本当にAかよ、俺らと同じ!?』 「さっきの攻撃を止めたって事は、防御力は高いって訳だから……」 桃太郎型と距離を置く。刹那、犬型が襲い掛かってきた。 『とりあえず、噛みつけばいいんだって!』 「――――!?」 右腕を噛まれる。アンセリナがややバランスを崩した。 持ち前のセンスで上手く立て直し、もう一度、巨大な重力波を生み出す。 二回目のイラーヴァリティ・グラビレイド。犬型が大地に強く叩きつけられ、沈黙する。 『……俺の出番、終了……マジでぇぇぇ……』 「次の一撃……!」 左拳から炎を生み出し、それを右拳の重力で操っていく。 炎が重なり続け、巨大な炎弾へと変貌する。 それを見て、桃太郎型ドライヴに乗る彼は顔を青ざめた。 ドライヴ一体は丸々呑み込まれそうなほど巨大な炎弾。アンセリナが腕を大きく振るう。 「ブレイジング・ハーツ!」 放つ。桃太郎型は防御を取らなかった。 『あははは……防御しても無理だろう、逃げれるわけねぇし……』 巨大な炎弾に桃太郎型ドライヴが飲み込まれ、大爆発が起こる。 バトル終了。結果は、言うまでもなくレディエンス・ビューティーズの圧勝である。 「うー、出番なかったですよぉ、マリア様ー」 「セリホの『レア・ウェポン』の事、すっかり忘れてたのよ……まぁ、次のバトルで活躍して」 「その前に、ドライヴの装備変更してね。たまにアンセリナに被害があるから」 「それは嫌です! 目標がディル・ゼレイクと同じ武装なんですから!」 「同じは無理じゃない。だって、『サタン・オブ・マグナム』は一つしかないんだから」 美代子の言葉に「あー!」と驚愕する。 「わ、忘れてました……ど、どうすれば良いですか、美代子先輩!?」 「どうすればって……『マグナム・カイザー』に勝つしかないでしょ?」 「それはダメです! 『マグナム・カイザー』は、ずーっと『マグナム・カイザー』でいて欲しいですし!」 「じゃあ、打つ手なし」 さらりと一言。マリアがドライヴで時間を確認する。 「似たようなもの自分で作りなさい、紘美。っと、それじゃあ今からタイヤキ食べ行きましょうか」 「ですから、マリア様。私は遠慮するって……」 「ダイエットなんてする必要ないって♪ それに、飛鳥は鈍感だから気づかないわよ」 「蓮杖君は関係ないです!」 「美代子先輩照れてるー」 「だ、誰も照れてないわよ!」 おまけ 「……あ、今日発売の新しいアクティブ・ウェポンをチェックするの忘れた」 早速、購入したプラモを作りながら思い出す飛鳥の姿があったりなかったり。 次回予告 明日香「皆さん、こんにちは、明日香です」 ゴウ 「『ディフェンド・キング』のゴウです」 明日香「今回はマリアさんが主役でしたね」 ゴウ 「うん。僕の出番は相変わらず少なかった事だし」 明日香「それを言ったらまずいんじゃ……あれ、飛鳥君?」 飛鳥 「あぁ……プラモの腕の付け根が折れた……_| ̄|○」 明日香「あ、あははは……」 次回、CONNECT24.『俺の決めた事に文句は言うな』 明日香「次回は新展開! でも、はじめから衝撃的な自体が……!?」 飛鳥 「そんなのはどうでも良いんだ、今は……今はプラモの付け根の修復を……!」 ゴウ 「それでは、次回もドライヴ・コネクト! 見逃すな!」(←戦闘モード突入) |
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