CONNECT51.『それは鷹、獅子、龍の如く』


 拳と拳がぶつかる。戦うのは、『ディフェンド・キング』ゴウと『劫火の戦神』ネクロフィス。
「ラ・グーン……クラッシャァァァーーーッ!」
『おおおっ!』
 二体のドライヴの激突が衝撃波を生み、周囲を襲う。
 ネクロフィスが口元を歪ませ、笑みを浮かべる。
『なるほど、輝凰と互角の実力か。ダーク・コネクター以外でこれほどの実力を持つ奴がいたか』
「違うな。俺は、輝凰よりも下だ。そう……あいつは、最強のコネクターだ!」
『だったら、お前は俺に負ける。輝凰よりも弱いならな!』
 劫火の戦神が灼熱に燃え上がった拳を振るう。それが、全ての決着だった。
 盾を持たない左腕で防御し、敵に無防備な姿を晒させる。
 ゴウの瞳が鋭くなり、敵ドライヴの急所を一瞬で見抜いた。右腕にエネルギーが集中する。
「ラ・グーン・クラッシャァァァーーーッ!」
 繰り出される右。ネクロフィスのドライヴの腹部を捉え、一気に貫いた。
 目を見開くネクロフィス。その呆気ない敗北と圧倒的な強さに対して。
『お前、輝凰以下だと言うのは嘘だな……!?』
「嘘ではない。だが、俺はあいつの次に最強の領域に立つ男だ!」
『笑わせるな……俺には分かる。お前こそが、最強のコネクターだと言う事がな……』
 そう言って倒れる。『劫火の戦神』ネクロフィスは、『ディフェンド・キング』の前に敗れた。



 三体のドライヴが合体したヴォルト・ラファエル。それを相手に戦う勇治とマリア。
 マリアのセイレント・クイーンが仕掛ける。
「ワイヴァーン・キャノン」
 放たれる一閃。ヴォルト・ラファエルは瞬時に回避した。
 素早い蜘蛛の下半身を狙って、今度は勇治が仕掛けた。
「出力40%、速射型。フレアマグナム」
 撃つ。が、またしても回避された。
「何、嘘みたいに機動性高いわよ、あれ?」
「蜘蛛はあんなに素早い虫だったか?」
「素早いわよ。この間も叩こうとしたら逃げられたもの」
「それはゴキブリだろう」
「そうそう。もう、あの黒い物体は本当始末しないと」
「…………」
「ん? どうかした、勇治?」
「……いや、なんでもない」(←飛鳥のようにツッコミを入れてくれなくて虚しい奴)
 敵――――それも幹部と言う強敵を相手に、くだらない話を余裕でする二人
 ヴォルト・デュラハンが攻撃を仕掛ける。
『ヴォルト・スティング!』
 雷の鞭が真っ直ぐと伸びる。マリアがすぐに受け止めた。
 刹那、背中のラフレシアから無数のレーザーが放たれ、セイレント・クイーンを襲う。
「出力最大、フルパワーショット」
「エイル、モードチェンジ! ドラグーン・ブレス!」
 勇治が阻止し、マリアが瞬時にカウンターを繰り出す。ラフレシアが破壊された。
『無駄ですわ! ヴォルト・バースト!』
 しかし、ヴォルト・デュラハンは劣る事無く、攻撃する。ヴォルト・ラファエルの全身から雷が放たれた。
 舌打ちしつつ、雷を器用にも撃ち落す勇治。そして、空中に回避するマリア。
 ヴォルト・デュラハンが攻撃を繰り返す。
『まだまだ、こんなものではありませんよ? ヴォルト・スパーク!』
 下半身の蜘蛛から雷が放たれる。勇治のディル・ゼレイクが大地へ向けて撃った。
 飛び散った大地の欠片が雷を防ぐ。
「うわ、そんな防御普通ありえないでしょうに」
「飛鳥に借りたゲームで鍛えたからな」
「……鍛えたって、どこが」
「で、気づいたか?」
「もちろん。あんなに攻撃してエネルギー消費してるはずなのに、全く停止する気配がないわね」
 攻撃をすればするほど、ドライヴはエネルギーを消費し、最終的にはエネルギーが尽きるはず。
 しかし、ヴォルト・ラファエルは違う。
「優姉さまの言ってた『レア・ウェポン』……確か、プラズマエクシアだっけ」
「それだけじゃないな。ライトニング・コアも持ってるようだぞ」
「うわ、色んな意味で無敵ねぇ」
 雷系の武装による攻撃を使用するほどエネルギーを供給する『レア・ウェポン』プラズマエクシア。
 そして、通常の武装に雷の力を加える、同じく『レア・ウェポン』ライトニング・コア。
 この二つが揃っている事で、ヴォルト・ラファエルは無限に戦えると言う事だ。それも全力で。
 勇治が「仕方ない」とぼやきつつ、一つのライフルを取り出す。
「何それ、新装備?」
「飛鳥が試しに作った奴だ。簡易的にファイナル・インフェルノの縮小版の奴が作れるんだと」
「それまた便利なもの作ろうとしてるわね、飛鳥って。私も作って何か作ってもらおうかな」
「もう作ってもらっただろ」
 そう言って、ワルキューレ・エイルを指差す。
「それに、飛鳥の作った武器は全部俺の物だ
「それ、飛鳥が聞いたらツッコミの嵐になりそうね」
 いつの間にか、くだらない会話になっていた。



 飛鳥の頬を冷たい汗がつうっと流れ落ちていく。
 七色に輝く翼を生やしたエヴィル・アスラフィルに、一つの傷もつけられない。
「はぁ……はぁ……!」
『どうした、その程度か? まぁ、無理もない。この翼がある限り、エヴィル・アスラフィルは倒れない』
 エヴィル・アスラフィルが右手を前に出す。
『イフリート・ブリット』
 放たれる無数の炎弾。飛鳥はすぐに回避した。
 セルハーツが背中に装備しているゴッドランチャーを構える。
「くらえぇぇぇっ!」
 放たれる巨大なビーム。エヴィル・アスラフィルが七色の翼を閉じ、完全に防いだ。
 どんなに攻撃しても、七色に輝く翼が完全に無効化する。
 先代である輝凰がイブリスを倒せないのは、イブリスにこの技があったからだ。
 イブリスがさらに攻撃を続ける。
『ボルト・プロディネンス』
「……っ!」
 放たれる雷を避ける。飛鳥は必死に考えた。あの翼を打破する方法を。
(『ファイナル・ロード』と言う最大の敵がまだ残っている状態で、バスターファルシオンは使えない……!)
 このバトルに決着がついた時、間違いなく『ダーク・コネクター』の総帥は動く。そう飛鳥は読んだ。
 だからこそ、レガリアをここで解放するわけにはいかない。
 しかし、それ以外の方法は思い浮かび上がらない。セルハーツの本来の性能を引き出す以外の方法は。
『グラビティ・ボール』
 続けて、巨大な重力弾が放たれる。セルハーツは剣で両断した。
 その直後、エヴィル・アスラフィルの上空まで跳躍し、斬りかかる。
「ミラージュ・ブレイドッ!」
『無駄だ』
 七色の翼が防ぐ。そして、セルハーツを吹き飛ばした。
『セルファレアムレインボーの前には、どんな攻撃も通用しない。この翼は、私自身の力そのものだからな』
「イブリスの力……!?」
『レガリアを渡してもらおう。そしてドライヴ・マスターを破壊する』
「渡せるか……! ドライヴ・マスターが破壊されたらどうなるか、お前も分かるはずだ!」
『無論だ。ドライヴが世界中のネットワークのセキュリティを破壊し、混乱を招く事ができる』
 ドライヴ・マスターは全てのドライヴを管理する。それは、一つの大惨事を防ぐ為でもある。
 インターネットと言う媒体を利用して、コンピュータのセキュリティを破壊。それがドライヴなら可能なのだ。
 悪意ある者達がドライヴを使えば、簡単に世界経済を混乱させる事ができるのだ。
 だからこそ、ドライヴ・マスターと言う存在が開発され、全てのドライヴを管理している。
「そんな事は絶対にさせない! 第一、そんな事して何になる!?」
『簡単だ。私はドライヴを使って全てを支配する。復讐の為に』
「復讐……?」
 イブリスが「そうだ」と答える。
『流石に輝凰は話していないようだな。お前も知りたいだろう、なぜ輝凰がダーク・コネクターになったかを』
「…………」
『私と輝凰は共に家族を殺されたのだ、権力と言う名の力によってな』
「家族を、殺された……?」
『そうだ。私と輝凰は幼なじみで、一緒に遊ぶ事もあれば、ケンカする事もある……どこにでもいる子供だった』
 そう、両親が親友同士と言う事で一緒に育った、ごく普通の幼なじみ。
『ごく普通の家庭があり、いつもと変わらない生活。しかし、それはすぐに終わった。
 自殺したのだ。一生を懸けても払いきれない借金を苦に、私達の両親は自殺。
 そして、私達は誰にも引き取られず、施設へと入った』
「…………」
『だが、私達は施設に入って知った。両親が自殺したのは、己が抱えた借金ではなく、他人の罪を償う為だと。
 そして、そうさせたのは権力を持つ者……そう、当時の総理大臣と言う立場にいた人間による、な』

 当時、二人は施設で暮らしている時に、たまたまその事を聞いた。
 自分達の両親が死んだのは、他人の罪を背負わされて償う為だったと。
 それを聞いた二人は、権力者を憎んだ。自分の罪を他人に背負わせて殺した権力者を。
 そして復讐する為の力を欲した。

『私達は力を欲した。そんな時に一人の男が私達を引き取ったのだ』
「……それが、『ファイナル・ロード』……!」
『そうだ。ファイナル・ロード様は、私と輝凰にドライヴを教え、力を与えてくれた』
 ドライヴと言う力を得た時、イブリスは確信した。この力なら、復讐できると。
 全てを支配できる力。それがドライヴにはあると分かったのだ。
『ドライヴ・マスターを破壊して、私は全てを支配する。そして、私から幸せを奪った人間を殺す。
 ただ殺すだけではなく、絶望のどん底まで陥れて、だ。それが絶望へ誘う者としての私の復讐……』
「……けるな。ふざけるな!」
 セルハーツが剣を構える。
「そんな理由で『ドライヴ・マスター』を破壊するなんて許さない! 他人を巻き込む復讐なんてさせない!
 なにより、ドライヴは俺にとって大切な物……それを壊されてたまるか!」
『ならば私を倒してみろ、ソード・マスター。このエヴィル・アスラフィルを!』
 雷が襲い掛かる。この時、飛鳥の瞳が鋭く、イブリスを睨みつけていた。
 まるで、鷹の如く鋭い瞳で。



 ヴォルト・ラファエルを相手に、勇治とマリアが仕掛ける。
「マリア、上手く時間を稼げ」
「私に囮をやれって事? 私のナイトにしては、結構扱いが酷いわね」
「ふざけるな。……ちゃんと礼の一つくらいはしてやる」
「言ったわね? それじゃ、そろそろ本気で行きますか♪」
 セイレント・クイーンがヴォルト・ラファエルに突撃する。
 それに応じて、ヴォルト・デュラハンが構えた。
『あなたの動きは、もう分かりましたわ! ヴォルト・カウント・ソニア!』
 雷の鞭が無数に振るわれ、セイレント・クイーンへと襲い掛かる。マリアは少しだけ笑みを浮かべた。
 勢いよく空へと飛び上がり、ワイヴァーン・レイによる攻撃で動きを封じる。
「その技使うの待ってたのよ、実は♪ 動き封じるには、ワイヴァーン・レイが効果的だもの」
『そうみたいですわね。しかし、私のヴォルト・ラファエルはこの程度では負けませんわ!』
「だからこそ、私と勇治のラブラブアタックなのよ♪」
「誰がラブラブだ、誰が」
 ディル・ゼレイクがライフルにエネルギーを集中し、小さな火球を作り出す。
「お前の負けだ、ヴォルト・デュラハン。インフェルノ・レイ」
 火球を上空に撃つ。そして、火球を狙ってサタン・オブ・マグナムが轟音を上げた。
 それを見たマリアが素早く回避する。上空で撃たれた火球が無数の火の玉となって降り注がれた。
 動きを封じられたヴォルト・ラファエルを襲う無数の火の玉。
『きゃぁぁぁぁぁぁっ!?』
 装甲が散り、倒れるヴォルト・ラファエル。ヴォルト・デュラハンが目を見開いた。
『この私が……ヴォルト・ラファエルが倒れるなんて……!?』
「呆気ない終わり方だったな、ヴォルト・デュラハン。ドライヴ三体を合体させても、俺に勝てん」
「……って、私は? 勇治が攻撃できたのは、私のお陰でもあるんだけど?」
「ふん」
「うわ、ワザとらし。”あれ”決定ね」
『私は……まだ……!』
 ヴォルト・デュラハンが立ち上がろうとする。
『……イブリス……愛しいイブリスの為にも……私は……!』
「無駄だ。お前にもう戦う力はない。それでも立ち上がるなら、確実に仕留める」
『愛しい……イブリスの為にも……!』
「…………」
 サタン・オブ・マグナムが轟音を上げる。ヴォルト・ラファエルの胸部を撃ち抜いた。
 勇治の取った行動を見て、マリアが言う。
「何で『ダーク・コネクター』にいるのかは分かっていたけど、まさかイブリスに恋してたなんてね」
「そんな事はどうでも良い。周りのザコ共を片付けるぞ」
「あれ、イブリスを倒さなくて良いの?」
「俺にはイブリスを倒す力は無い」
 勇治が断言する。
「もちろん、お前にもだ。だが、飛鳥ならイブリスに勝てる。俺はそう信じている」
「そっか。じゃ、周りを片付けますか」



 イブリスの攻撃を回避し、飛鳥は一つの事に気づいた。
「あの翼を出してから、イブリスは斬王陣や他の技をあまり使っていない……!」
 ボルト・プロディネンスなどと言った技ばかりで、強い技は出していない。
 斬王陣を使っていないのが証拠だ。イブリスはあの翼を出す代わりに、強大な技が使えなくなっている。
「だったら、あの翼をどうにかすれば勝てるかもしれない……けど、どうやって……?」
 その時、セルハーツが反応する。飛鳥は目を見開いた。
「天翔蒼破絶靭斬を……!? けれど、あの翼ごとイブリスを倒せるか分からないのに、そんな事は……」
 そう言うと、カメラアイを一瞬だけ強く光らせる。「自分を信じてくれ」と言わんばかりに。
 飛鳥が「分かった」と頷き、剣を構える。それを見たイブリスは、少しだけ笑みを浮かべた。
『まだ挑もうとするか、ソード・マスター?』
「……当然だろ。俺は負けるわけにはいかない。そして、俺は大切な物を守る為に……イブリス、お前に勝つ!」
 セルハーツの周囲を凄まじき闘気が覆う。セルハーツのカメラアイが緑から青へと変わった。
 ファルシオンセイバーが眩い光を放ち、”究極の光剣”の姿となる。
「うぉぉぉおおおおおおっ!」
 闘気が灼熱の炎の如く燃え上がる。イブリスがそれに応じるかのように氷の剣を生成し、構えた。
 七色の翼が大きく羽ばたき、セルハーツへと狙いを定める。
 その姿は、先代『ソード・マスター』である輝凰のアーク・ウィザリオと似ていた。
『これで終わりにしてやろう。エクス・ハザード・ガルーダ!』
 剣を先端にして、七色に輝く鳥となって突撃する。
「天翔……蒼破ぁぁぁッ! 絶ッ! 靭ッ! 斬ぁぁぁぁぁぁんッッッ!」
 剣を振るう。一直線に伸びる波動がエヴィル・アスラフィルへと放たれた。
 激しく衝突する技と技。バトル・フィールド全体の大気が震える。
 そして大爆発。イブリスは目を見開いた。
 七色の翼が砕け散り、放たれた波動に呑み込まれるエヴィル・アスラフィル。
 それは、まさしく”絶望へ誘う者”イブリスの敗北だった。
(馬鹿な……セルファレアムレインボーが破られるわけが……!?)
 あの技は、例え『ドライヴ=レガリア』でも破る事はできない最強の技。
 しかし、それを飛鳥は破った。イブリスがその姿を見る。
 剣を構えるセルハーツの姿は、まさしく百獣の王・ライオン――――獅子の如き。
 放たれた力は、飛鳥の心の強さ。まさしく龍の如き。
 そして、鋭い瞳は正真正銘、鷹の如き。イブリスはふっと笑みを浮かべた。
『そう言う事か……流石は、輝凰を超えたコネクター……』
「……俺の勝ちだ、イブリス……!」
 セルハーツが片膝を大地につく。多大な疲労感が飛鳥を襲った。
 歯を食いしばりながら、イブリスの方を見る。
「『ダーク・コネクター』を捨てろ……そして……」
『それは無理だ』
 イブリスが続ける。
『言ったはずだ、私は復讐すると。その為にも、この力が必要なのだ』
「まだそんな事を……!」
『当然だ。だからこそ――――』
『もう良い。ここで消えろ、イブリス』
 瞬間、エヴィル・アスラフィルを襲う無数の波動。飛鳥は目を見開いた。
”究極の光剣”から元に戻ったファルシオンセイバーが強い反応を示す。
 純白に身を包まれたドライヴが、そこにいた。
『まさかイブリスを倒すとはな……見事だったぞ、ソード・マスター』
「……お前は……!?」
『初めまして、と言うべきか。私こそがダーク・コネクターの総帥ファイナル・ロードだ』
「ファイナル……ロード……!」
 思わず息を呑む。ついに姿を見せたファイナル・ロードの前に、飛鳥は舌打ちした。
 まさか、このタイミングで現れるとは予想していなかった。
 そして感じる強さ。ファルシオンセイバーの反応は、自分に警告しているかのようだ。
『イブリスを倒した事は褒めてやろう。だが、お前達の負けだ』
「何……!?」
『私自らが動き出した。お前達フォース・コネクターですら私は倒せぬ……そう、究極のドライヴにはな!』
 ファイナル・ロードが飛鳥に剣を向ける。飛鳥は言葉を失った。
 漆黒の刀身に天使のような輪がいくつも存在する。それは、もう二度と見たくなかった剣の姿。
デスブレード・ラグレオス……!? そんな……なぜ『ダーク=レガリア』が……!?」
『簡単だ。ダーク=レガリアは私が手掛けた物……破壊されても作り直す事はできる。
 しかし、このドライヴが持つダーク=レガリアは完全体。真のドライヴ=レガリアにも匹敵する力を持つ』
「レガリアに匹敵する……? そんな事……」
『それを今から証明してやろう、お前を倒す事で』
 究極のドライヴがデスブレード・ラグレオスを振り上げる。
『ラグレオス……――――』
「ジ・ハード・セイバーッ!」
 瞬間、黄金の一閃が究極のドライヴを襲う。ファイナル・ロードは呆気なく阻止した。
 黄金のビームセイバーを持った黄金のドライヴ――――アーク・ウィザリオ。
 その姿を見て、ファイナル・ロードがふっと笑う。
『そのドライヴは輝凰か……』
「………お久しぶりです、ファイナル・ロード……」
『そうだな、久しぶりだな。7年前に私を裏切って以来か』
「裏切っていない。俺は間違いに気づいた、ただそれだけだ」
『それが裏切ったと言うのだ、輝凰!』
 アーク・ウィザリオを吹き飛ばす。ファイナル・ロードは銃を構えた。
 銃口が縦に三つ並んだ、長い銃身を持つレイ・スペル・ノヴァ
『……フォトン……ランサー』
 刹那、巨大な光の槍がファイナル・ロードへと放たれる。ファイナル・ロードは盾で防いだ。
 今度は暗黒のビームシールドを展開させたティシフォネ・ザ・ナイトメア
 破壊されたと思われたエヴィル・アスラフィルの姿がそこにあった。輝凰が訊く。
「無事だったのか?」
『当然だ。エヴィル・アスラフィルにはリバイヴシステムもある。それより、お前は仕事じゃないのか?』
「お前のメール見て早退したんだ。お陰で、今度の休み返上だがな」
 二人がファイナル・ロードを睨む。
『……ファイナル・ロード、私を消そうとしたと言う事は、もはや私は用無しか?』
『当然だ、イブリス。フォース・コネクターに負けたお前など、もはや必要ない』
「必要ない、か。あなたのやり方は、7年前と全く変わっていない……!」
 アーク・ウィザリオが右手を前に出す。
「ファイナル・ロードを倒すぞ、イブリス……いや、神! 力を貸せ!」
『前に言ったはずだ、私はもう鳳堂院神(ほうどういん しん)ではないと……お前に言われるまでもない』
「……行くぞ。アーク・ウィザリオ、輝凰形態! 輝凰剣、召喚ッ!」
『出でよ、セルシウスキャリバー。そして再び羽ばたけ、セルファレアムレインボー』
 二体のドライヴのカメラアイが光る。アーク・ウィザリオの背中から光の翼が生え、右手に剣が現れる。
 そして、エヴィル・アスラフィルの背中には七色の翼、右手には氷の剣が現れた。
 その光景を見た飛鳥が目を見開いた。輝凰とイブリスの姿は、全くと言って良いほど似ている。
 輝凰が飛鳥に言う。
「まだ時間掛かるんだろう、飛鳥? だったら、時間稼ぎ位はしてやる。倒すかもしれないがな」
『確かに。私とお前なら、ファイナル・ロードでも勝てはせん』
 瞬間、二人の最強がファイナル・ロードに挑んだ。



次回予告

 明日香「ついに登場だね、『ファイナル・ロード』!」
 飛鳥 「ああ。それにしても、まさか輝凰さんとイブリスが……」
 明日香「最強のコンビだね」
 勇治 「違うな。最強は俺だ」
 飛鳥 「俺は入ってないのかよ、おい」
 明日香「あ、あはは……」

  次回、CONNECT52.『起死回生と言う名の最後の力!』

 明日香「次回は、『ファイナル・ロード』の正体が明らかに!」
 飛鳥 「まさか、あの人だったなんて……やっぱり、俺が『ファイナル・ロード』を倒さないと……!」
 明日香「飛鳥君、本気モード?」
 飛鳥 「良いや、まだ60%
 明日香「…………」



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