CONNECT-FINAL.『これからの事』


『ソード・マスター』と『ディフェンド・キング』によるバトルから半月。
 とあるショップで、『チーム・エンジェル』はミーティングを行う事にした。
「飛鳥さん、遅いですね……」
「そうだね……。勇治君、何か聞いてない?」
「…………」
 明日香の質問。しかし、勇治は聞いていないのか、外を見ながら亜美に言う。
「亜美、飲み物を取って来い。ミーティングをする」
「え? でも、まだ……」
「構わん。とっとと取りに行け。俺はコーラだ」
「う、うん……えっと、明日香さん、何にしますか?」
「あ、私も一緒に行くよ」
「亜美だけで良い」
 素早く、勇治が言う。
「……だそうです」
「じ、じゃあ……オレンジジュースでお願いして良いかな?」
「はい」
 亜美が席を外す。それを見計らって、勇治が明日香に話し掛けた。
「星川、飛鳥は『ディフェンド・キング』決定戦を開催しているショップにいる。そこに行け」
「え、でもミーティングあるんじゃ……?」
「問題ない。良いから行け」
「……う、うん」
 そう言って、明日香も席を外す。少し遅れて、亜美が戻ってきた。
 手に持っている飲み物をテーブルに置き、明日香を探す。
「あれ、明日香さんは?」
「飛鳥の所に行った。それより、朧はどうした?」
「そうなんだ……朧さんは、今日は用事があるって……」
「そうか。まあ良い、今後のチームについて話し合うぞ」
「話し合うって、飛鳥さんと明日香さんがいないのに?」
「そうだ」



 一方、別のショップで同じように『レディエンス・ビューティーズ』もミーティングを行っていた。
「さあ、今日はじゃんじゃん食べるわよ♪」
「って、またタイヤキ……良く食べれますね、マリア様。飽きませんか?」
「全然。甘い物は別腹って言うじゃない」
 目の前に置かれるタイヤキの山を見るだけでお腹一杯のチームメンバー・美代子に対し、余裕で答えるマリア。
「それに、ゴウが引退した今、『レディエンス・ビューティーズ』が天下取る時よ」
「天下って……大丈夫なんですか?」
「大丈夫大丈夫。確かに『チーム・エンジェル』って言う厄介なのがいるけど、どうにかなるわよ」
「どうにかって……」
 相変わらず余裕を見せるマリア。



 新たなる『ディフェンド・キング』を決めるバトル。そのバトルが行われるショップに飛鳥はいた。
 バトルの様子が分かる場所で見学し、その結果を予想する。
「やっぱり晃鉄さんに決まりだな。流石、ゴウさんの後継者」
 これで、再び『フォース・コネクター』の空席は無くなる。
「飛鳥くーん!」
 その時、後ろから呼ばれる。明日香がこっちに来ていた。
 軽く手を挙げて、再び視線をバトルの方へ戻す。
「バトル、どんな感じなの?」
「見ての通り。新『ディフェンド・キング』は晃鉄さんに決まりだよ」
「良かった……。じゃあ、早く勇治君と亜美ちゃんの所に行こう? ミーティングもあるし」
「いや、行かないよ」
「え……?」
 飛鳥の「行かない」の一言。明日香はキョトンとした。
 バトルを見ながら、飛鳥が言う。
「つい最近だけど、チーム、抜けたから」
「え……えぇ!?」
 その言葉に、明日香は信じられなかった。



「飛鳥さんと明日香さんがチームを抜ける!?」
 同時刻、亜美は勇治からそう告げられ、驚きの声を上げた。
「ど、ど、どどど……どうして!?」
「もう決まった事だ。今更驚くな」
「驚くよ! お兄ちゃん、また勝手に決めたでしょ!?」
「俺じゃない、決めたのは飛鳥だ」
 そう言うと、亜美が落ち込む。
「飛鳥さんと明日香さんが抜けるなんて……せっかく色んな作戦とか考えてたのに……」
「そう言うな。メンバーは探して集めれば良い」
「うん……」



 飛鳥からその言葉を聞いた明日香は、動揺しつつも飛鳥に聞いた。
「どうして!? チーム抜けるなんて、そんな……」
「半月前から考えてたんだ。ゴウさんとのバトルが終わってから……」
 ドライヴを取り出す。
「俺が目指してる最強って何なのかなって……。それ以前に、最強って何なのかなって……。
 ゴウさんとのバトルが終わって、ゴウさんとチームの姿を思い出した時に分かったんだ」
「分かったって……?」
「コネクターが手にできる最強は三つ。シングル、コンビ、チーム。俺は、全部の最強を手に入れたい。
 だから、俺はチームを作りたいんだ。『チーム・エンジェル』じゃなく、俺のチームを」
「それで、チームを抜けるって……」
 飛鳥が頷く。
「今度の大会……って言っても、来年の事だけど、その大会で最強の称号を全部手に入れる。
 強豪チームの『ランドライザー・コマンド』や『レディエンス・ビューティーズ』とかを倒して。
 その為に、来年までの間にチームを作る。……手伝ってくれるかな?」
「え? 手伝うって……」
「俺とコンビを組んで欲しい」
「えぇ!?」
 明日香が驚く。しかし、飛鳥は本気だった。
「チームができるまでの間だけど、本気だよ」
「で、でも、私Bランク……」
「Aに上がれば良いだけだよ。明日香には、もうAランクに達しても良いくらいの実力があるんだから」
 そう、明日香には実力がある。現に、一度Aランクである『ランドライザー・コマンド』の紅葉に勝っている。
 それに、明日香ならコンビでもやっていける。セルハーツとシルフィーナディアなら。
「セルハーツの攻撃とシルフィーナディアの防御。俺と明日香なら、良いコンビになれる」
「そ、そんな事……」
「ないとは言わせない」
「……私で本当に良いの?」
「ああ。恋人としても……パートナーとしても、よろしくな、明日香」
「うんっ」
 手を取る二人。ようやく、二人はスタート地点から歩き出した。





Drive-Connect!

〜fin〜











 明日香「こんにちは、明日香です」
 飛鳥 「どうも、飛鳥です」
 明日香「終わっちゃったね、『Drive-Connect!』……」
 飛鳥 「うん、そうだね」
 明日香「あ、あれ、寂しくないの?」
 飛鳥 「うん」
 明日香「え、どうして?」
 飛鳥 「まだ終わりじゃないから」
 明日香「それって、どう言う意味?」
 飛鳥 「こう言う意味」

























 それは、新たなる戦いの幕開け――――















「俺が作ろうとしているのは、ただ最強ってわけじゃない。誰か一人でも欠けたらいけない。そんなチームなんだ」
 飛鳥が目指そうとするチーム。


「目指すのは一つ。飛鳥に勝つ事……そして、俺が本当の意味で最強のコネクターになる」
 真の最強を目指す勇治。


「相変わらず『レディエンス・ビューティーズ』は最強を目指すわよ。今回は強豪チーム増えるしね」
 いつものペースで最強を目指すマリア。


「リーダーが引退しても、『ランドライザー・コマンド』は最強を目指します!」
「当然だ。先代が築き上げたチームが、他のチームに負けるはずがない」
 受け継いだチームを最強へと導く紅葉と晃鉄。















 目指すは最強の領域。しかし……















「あいつはこれ以上強くならない。飛鳥は、近いうちに必ず負ける」
「蓮杖飛鳥? 敵じゃねぇよ、俺は奴に勝つ自信がある……俺は、奴なんかより強い」
「動きは飛鳥より上……間違いない、飛鳥は彼に負ける」
 飛鳥を襲う、衝撃の緊急事態!


「無駄だ。今のままでは、お前は最強どころか俺にすら勝つ事はできない」
「お兄ちゃんは強いのに……それなのに……」
 勇治の前に現れる最強の敵!


「あんたを倒して、俺が『ストーム・クラウン』になる」
「わぁ、完全に挑発されてるわ、私……仕方ない、本気で行きますか」
 いつもと変わらないマリア。


「リーダー……やっぱりリーダーがいないと私は……」
「このままだと、『ランドライザー・コマンド』は解散の運命か」
 最強チーム解散の危機!

























「お前にその剣は相応しくない。真の『ソード・マスター』になるのは俺だ」
 そして新たに始まりを告げる激闘。










Drive-Connect!

- ULTIMATE EPISODE -




 ドライヴに導かれし者よ、最強のコネクターとなれ――――





















 明日香「これって、次回作!?」
 飛鳥 「そ。主人公とヒロインは俺と明日香のままだけどね」
 明日香「でも、アルティメットって……どう言う意味?」
 飛鳥 「普通に考えれば究極。まぁ、それは読んでからのお楽しみって事で」
 明日香「良いのかな、それで……」
 飛鳥 「良いんだって。『Drive-Connect! - ULTIMATE EPISODE -』は、近々掲載スタート!
     俺の本当の戦いは、これからだ!」




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