漸く、三時間目の授業が終わり休憩時間に入る。 幸い、次の時間は教師が欠席なので授業は自習である。 当たり前の事なのだが、折角の自習の時間に真面目に勉強する生徒なんて殆ど居ない。 それは、光哉達にとってもそれは同じ事だった。 光哉は休憩時間に入ってからずっと何かを書き記していた。 「ねえ、光哉君」 沙由華は光哉に話しかける。 「どうした? 沙由華?」 「どうした? …じゃないよ光哉君」 沙由華は剥れながら光哉を見つめる。 「さっきから…ず〜っと何かを書いているみたいだけど…?」 「ああ…これか」 光哉が書き記していたものを沙由華に見せる。 「面白そうだな…? 俺も交ぜてくれないか?」 一人の男子生徒が話しに入ってくる。 「紡か…ああ、別に良いぞ?」 光哉は改めて紡を交えて話を進める。 「『ライトブリンガー』のデータについて考えていたんだ」 「ああ…光哉の親が制作していたウェポンで。レガリアを元に『Reproduction』した物だったか?」 「まぁ…一応は…そうなるのか?」 実際は…違うため光哉は曖昧に答えを濁す。 『Reproduction』とは、『自分』の『見たもの』を瞬時に『再現』、『模造』、『複製』し、その上で『自分』に合わせて『再構築』する事であり、 その効果と対照は『必殺技』がメインなのだが、『ある程度』であれば『アクティブ・ウェポン』にも及ぶ(当たり前の事だが、アクティブ・ウェポンは『瞬時』には『再構築』できない)。 要するに…『Reproduction』は『相手の技』を『構成』し直し、『自分の技』にする事である。 その為、他人の技を『Reproduction』した技は、相手のと『同じ』でいて『違う』物になるが、主な効果は殆ど同じになる(属性等は違う場合もある)。 技によっては大幅に変更される場合もある(フォース・コネクターの技等は制御が難しいため)。 但し、『Reproduction』した必殺技などは使用しないと使えなくなる特性も持ち合わせている。 そうなると再び、『Reproduction』する必要がある。 しかし、何でも『Reproduction』できるわけでは無く、自分のドライヴの装備しているアクティブ・ウェポンで出来る範囲に限られる。 当然、自分の力量以上の技を使用すれば制御は出来ない。 因みに、光哉はその貴重な『資質(技?)』を亡くなった父親から伝えられている。 「やっぱり…光哉君は凄いね。こんなに難しいウェポンの事を考えているなんて」 「いや……そうでも無いけど…」 しかし、それは光哉にとっては…でしか無い。普通の人に『Reproduction』する事はできないのだから。 当然の事だが、『Reproduction』を持つ光哉にしても、 『ドライヴ=レガリア』である『ファルシオンセイバー』を『再構築』するのは『不可能』である。 四時間目開始のチャイムが鳴る。 光哉はこれ以上、自分だけで考えるのは難しいと考え、先程書き記していたものをしまう。 『ライトブリンガー』は未だ目覚めの時を待っている。 「それで、今日はどうするんだ?」 紡が俺にいつもの質問をしてくる。 「今日か? …そうだな」 俺は少し思案する。 まず、現在の俺の頭の中の『大半』は俺の大切な人である『如月沙由華』が占めている。 その次に、俺の『心の師匠』蓮杖飛鳥とその『恋人(?)』である星川明日香さん、そしてフォースコネクターの人達が占めているだろう。 残りは大体、『相棒』である『羽山紡(はやま つむぐ)』と引越した『親友』。今は、『ライトブリンガー』の事くらいだろうな。 確かに師匠達が戦っていると言う、ダーク・コネクターも気になるが…一般のコネクターは関わってはいけないしな…。 後、『Reproduction』については割愛だ…。正直、細かく考える方がややこしくなるからな…あれは。 「師匠に会いに行こうと思うんだ。話したい事もあるし」 正直、暫く悩んだ結果がこれだ。 レガリアの事はフォースコネクターや協会の人達の方が詳しいだろうし。 後、師匠達なら俺の両親が遺した未完成のアクティブ・ウェポンのデータにも何か意見をくれるかも知れないから。 「じゃあ…私は光哉君に着いて行くよ」 沙由華の返答は予想通り。恋人としては嬉しい限りだ。 「そうか。じゃあ…俺は勇治先輩の所に行って来るか」 紡は師匠のパートナーである荻原勇治さんのところに行くことに決めたようだ。 紡が『あの』勇治さんと行動をしたりしているのは、俺はツッコミをしない…したくてもできない。 俺は詳しい事情をしらないからな…一体、何があったんだ? 「あ、そうだ。紡、これを見てくれないか?」 俺は紡に先程、書き記していたものとは別のデータを渡す。 「これが…未完成のアクティブ・ウェポンのデータか?」 「ああ、俺の家に『遺して』あった物なんだ。やっぱり、紡にも見せておこうと思ってね」 「そうか…ありがとう。今度、ゴウ兄さんにも話してみる」 「うん、分かった…。やはりこれは…フォース・コネクターや協会に見せた方が良いと思う」 「確かにな……」 『ライトブリンガー』のデータを調べている間に気付いたが、このデータに入っているものはあまりにも詳しすぎる。 俺の母親は、『協会』でアクティブウェポンを創っていたと聞くが、俺は詳しい事を知らない。 『レガリア』の事を研究していたのか…最早、俺の母親はいない為、それは分からない。 ここで漸く、四時間目の終了のチャイムが鳴った。 本日の授業は、先生の研修会とかで四時間目で終了である。 教室を掃除し、帰りのHRが終わる。 今日の学校はここまでだ。 「でも…何故、俺にこんな…貴重な物を見せるんだ?」 少し考えて、紡が質問してくる。 正直、御もっともな質問だ。だが、答えは当たり前の事だったりする。 「だって紡は…俺の『親友』で、『相棒』だろ? 後、紡なら間違った事はしないと思うし」 これは本当の事。俺は紡を信頼してるし、頼れる親友だから。 「…悪いな」 「…気にするなよ。とにかく、俺は飛鳥師匠のところに行ってこの事を話してみるよ」 「分かった。俺は…取り合えずのところは勇治先輩に会いに行って来る。このデータについては後日、ゴウ兄さんにも相談してみる。」 「…頼むよ。ゴウさんによろしく伝えておいてくれ」 俺達はお互い言葉を交わして、教室を出て行く。 俺は当然、沙由華を連れて…。 一応、言っておくが…授業中は紡とばかり話してしまったけど、沙由華を決して『忘れていた』わけじゃ無いぞ? 「光哉君…?」 沙由華が上目遣いで見つめてくる。…正直可愛い。 「私、寂しかったよ…」 沙由華は俺の腕に抱きついてくる。 「ごめん、沙由華…紡とばかり話が盛り上がって…」 「良いよ…大事な話だったもんね」 こう言うときでも沙由華は俺を気遣ってくれる。 「それじゃあ…行きますか、お姫様!」 俺は気を取り直して沙由華に声をかける。 「うん…♪」 沙由華が笑顔と一緒に返事を返してくれる。 俺達は腕を組んだまま歩き始めた。 目的地はショップ。そこに向かって俺達は歩いていく。 今日はまだ、昼時だが、師匠も今日は学校が早く終わると言っていた。 俺は沙由華とその後の予定の事などを話しながら目的地に歩いていく。 暫くして…俺達は目的の場所の近くに到着した。 そこで待っているのは俺が良く見知った人物であり、尊敬する人。 「師匠!」 そして…俺に呼ばれて振り向くのは一人の先輩。 その名前は…『蓮杖飛鳥』。 次回予告 こんにちは、沙由華です。 次回は遂に、『ソード・マスター』蓮杖飛鳥さんの登場です。 ……そう言えば、光哉君は飛鳥さんに何の話があるのかな…? 次回、CONNECT02.『その名は蓮杖飛鳥!』 ドライヴ・コネクト! 明日香先輩にも会えると良いな…♪ |
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