「それで、俺に何の用だ?」 飛鳥が光哉に質問をする。 「実は…これを見て欲しいんです」 光哉は飛鳥に『ライトブリンガー』のデータを渡す。 『ライトブリンガー』と『レガリア』の決定的な違い、師匠なら分かるかも知れない。 - CONNECT03.『ライトブリンガーの片鱗』 - 「これは、『レア・ウェポン』か…?」 飛鳥は驚きを隠せない。 「いえ…確かにレア・ウェポンに似ていますが、俺は違う物だと考えています」 光哉は答える。 レア・ウェポンはある人物が創ったアクティブ・ウェポンであり、その製作者は既にいない。 「けど……オリジナルにしては良い出来だな」 ライトブリンガーは普通のオリジナル・ウェポンに比べて格段に複雑で、技術も難しいものが使われている。 飛鳥がそう考えるのも当然である。 「確かに俺もそう思いますが……俺は、普通のオリジナル・ウェポンとも何かが違う気がするんです」 光哉は自分の感じている事を伝える。 「そうか…。なら…どうしてこれを?」 飛鳥は光哉に一つの疑問を尋ねる。 「はい…実は、俺の母親が遺していた物なんです。母は、研究者でしたから…」 光哉は自分の家に隠してあったデータの事を説明する。 「成る程…と言う事は、光哉の母親がレガリアの研究をしていた可能性があるのか?」 「はい…俺の両親は既に亡くなっていますので……真実なのかは分かりませんが…」 これは本当の事。俺も何が真実で、何が偽りなのかは全く分からない。 「……光哉、これをよく見ても良いか?」 「ええ、どうぞ。細かい所まで見て下さい」 師匠は『ライトブリンガー』のデータのチェックを始める。 暫く調べて見て、師匠はある事に気付いた様だ。 「……光哉」 師匠が俺に声をかけて来る。 「師匠、何か…分かりましたか?」 「間違い無いな。……このアクティブ・ウェポンは、『ファルシオンセイバー』のデータをベースにして創られている」 「本当ですか!? 俺もレガリアのデータをモデルにしている可能性があるとは思っていましたが……」 俺は驚きを隠せない。 今までは半信半疑だったが、ファルシオンセイバーを持つ師匠が言っているので、間違いとは考えられない。 「正直、俺も信じられない。……ここまで高い戦闘数値を再現出来るなんて」 「そこまで、凄いんですか?」 俺は師匠に問いかける。 「色々とプロテクトがかけられているから確信は持てないけど……このアクティブ・ウェポンにもリミッターがかかっている」 「リミッター……と言う事は?」 「いや……それ以上の事は俺には分からない」 師匠にもやはり細かい解明は出来ないようだ。 「……光哉。一つ聞くけど、ライトブリンガー以外にもアクティブ・ウェポンは遺されているのか?」 師匠が俺に一つの疑問を尋ねてくる。 「はい。ライトブリンガー以外にも…後、3つあります。まだ、解明は終わっていませんが……」 「成る程……そう言う事なら、他の人達にも見て貰った方が良いな」 「そうですか………今、紡が勇治さんの所に行っています。後日、ゴウさんに話をすると言っていましたが…」 「だったら…ちょうど良いな。その時にゴウさんにも相談しよう」 「分かりました」 俺は師匠からライトブリンガーのデータを受け取る。 「(師匠でもそう簡単には分からないか……このアクティブ・ウェポンは一体…)」 それでも、ライトブリンガーがファルシオンセイバーのデータをベースにしている武器と言う事は分かった。 思ったより大きな進展だと思う。 「光哉君……?」 考え込んでいたら、沙由華が俺の顔を覗き込んでくる。 「いや…何でも無いよ」 俺はデータをしまう。……頭を切り替えるか。 「師匠はこれからの予定はありますか?」 光哉君は飛鳥さんに今後の予定を尋ねる。 「俺か? 俺は明日香と約束があるからな……そろそろ来ると思うんだけど」 飛鳥さんは時間帯をチェックする。その時、ちょうど一人の先輩の声が聞こえる。 「飛鳥君っ!」 それは私にとっても光哉君にとっても関わりのある先輩。 明日香先輩は真っ先に飛鳥さんに駆け寄る。取り合えず、私と光哉君には気付いていないのかな? 「よ、明日香」 「ごめんね、待ったかな?」 「いや、大丈夫だよ」 飛鳥さんと明日香先輩は本当に仲が良い。……やっぱり、つきあっているのかな? 「明日香先輩。こんにちは」 私は明日香先輩にすかさず挨拶をする。 「御久しぶりです。明日香さん」 光哉君も私に続いて明日香先輩に声をかける。 「あ、沙由華ちゃんに光哉君。二人ともこんにちは。光哉君は飛鳥君に用事があったのかな?」 「あ、はい」 「じゃあ……沙由華ちゃんは光哉君と一緒に来たのかな?」 「はい。そうです」 「あ、そう言えば……沙由華ちゃん、告白は上手くいった?」 明日香先輩が光哉君と飛鳥さんには聞こえないように話かけてくる。 「えっ…はい……///。……今は、光哉君と付き合っています」 私はしどろもどろになりながらも答える。 「本当? 良かったね」 「はい…♪」 私は笑顔で明日香先輩に答える。明日香先輩は光哉君が好きだと言う私の事を応援してくれた。 私が光哉君と付き合う事が出来る様になったのも明日香先輩のお陰だと思う。 暫く私達が雑談を続けていると…… 「柏木影二様のお通りだ! 頭が高いんだよ、お前らぁ!」 ショップの入り口から大声が響く。黒い服を着た男の人たちが沢山いた。何時ものパターンだから私も呆れを隠せない。 そして当然の様に、その真ん中に、一人だけ金ラメの入った高そうな服を着ている人が見える。 「下品な言葉を使うな!」 「す、すいません……影二様……」 「”柏木影二様”だ! フルネームで呼べといっているだろう!」 高そうな服を着ている人が、隣にいる人を蹴る。 ……柏木影二さん。ドライヴの大量生産をしている柏木コンツェルン社長の息子だけど……正直、私は嫌い。 普段から思うけど……何で、彼がこんなところに来ているのかな? ……私も本当は、人の事はあまり言えないんだけど。 「貧しい貧しい生活を送っている平民ども、良く聞け! 今日から、このショップはスカルナイツの縄張りだ!」 柏木影二さんがお決まりの台詞を言う。 「また……骸骨騎士団か……」 それを聞いた光哉君が呆れた声で呟く。 「誰が骸骨騎士団だ! スカルナイツだ!」 光哉君の悪口を聞きつけたのか直ぐに言い返してくる。 「……どっちも同じ意味だろうが、ボケ。……相変わらず、何時もと変わらない登場の仕方だな…」 飛鳥さんも呆れながら大勢の人達に軽く声をかける。 光哉君や飛鳥さんが言うには、違法で有名な柏木影二さんとゆかいな手下達――――『スカルナイツ』。 実は、私も戦った事はあるんだけど……お世辞にも強いとは感じないかな…。 「……はっきりと言わせて貰うけど、さっさと帰ってくれないかな」 光哉君が否定の言葉を柏木影二さんにぶつける。……光哉君、素敵。 「と言うより、縄張りとか、わざわざ制裁されるような事するなよ……つか、俺の仕事増やすな、面倒臭い」 飛鳥さんが呆れながら言う。 「ふん、君のような一般市民に命令される気は無いね」 「……言うじゃねぇか。じゃあ、バトルで決めるってのはどうだ?」 飛鳥さんがドライヴを取り出す。こういう時の飛鳥さんは私でも格好良いと思う。 「そうだな……こっちは二人で良い。俺達が勝ったら消えろよ?」 光哉君と一度目を合わせ、飛鳥さんがはっきりと言い放つ。 「貴様、この僕、柏木影二がそんな事すると……」 「まぁ…逃げるなら……逃げても良いけど?」 光哉君がわざと柏木影二さんを挑発する。 「誰が逃げるか! そこまで言うなら、この僕、柏木影二の強さを見せてあげようじゃないか!」 思いっきり挑発に乗る柏木影二さんだった。……勝てないのは分かっている筈なのに。 ――――そのバトル、両者の合意と確認しましたっ! バトル・フィールド中心に穴が開き、そこから審判さん――――リュウマチ小暮さんが出てくる。 「ただ今より、このバトルは公式バトルと認められました。審判は私、リュウマチ小暮さんがやりますっ!」 「……審判、今回は非公式バトルだから、引っ込んで」 飛鳥さんがリュウマチ小暮さんにさらりと言う。 「な、何ですと!? 煤i ̄□ ̄;)」 強制的にリュウマチ小暮さんがバトル・フィールドの中に戻されていく。 「さて、うるさいのもいなくなった事だし、始めるか」 『蓮杖飛鳥&時雨光哉』 VS 『スカルナイツ』の戦いが始まろうとしていた。 次回予告 こんにちは、沙由華です。漸く、明日香先輩にも会えました…嬉しいです♪ 次回は『骸骨騎士団』……じゃなくて。『スカルナイツ』とバトルするお話です。 飛鳥さんはソード・マスター。光哉君は確か……シングルとゴッドランクアップを制したコネクターだったかな? 次回、CONNECT04.『SWORD & BLADE』 ドライヴ・コネクト! 遂に、光哉君も本領発揮……飛鳥さんとのコンビの実力は一体……? |
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