今から100年前にこの星【ネオリーム】で大規模な戦争が起きた。
 その戦争は2種の種族の間に起きたものだった。
 そしてその戦争は3年にわたり続き、死闘の末片方の種族が封印され終結した。
 この戦争は後に『世界大戦』と呼ばれ語り継がれた。

 そして今再び戦争を起こそうとある種族がこの地に現れ……





ネオリーム

第1章 全ての始まり





 この星には5つの種族が住んでいた。

 白く澄んでいて輝く鳥類の羽を持つ『聖族』

 黒と赤のコウモリの羽を持つ『魔族』

 そして翼無き者『ヒト』

 そして今は忘れられた機械の体を持つ『融機人』

 身体を獣へと変化させることの出来る『獣楼人』



 今世界は、二人の若き姉弟を巻き込み静かに動き出す…!? 伝説を再び――――





第1話 始まりは突然に


「起きろー!何時だと思ってるの?もう昼だよォ」
「まだ眠いよ…。もう少しだけ」
 いつもいつも弟の世話の明け暮れる姉のハルにいつもおき楽単純な弟のゼル。
 姉弟と言っても血は繋がっていないが…。おっとまたいつもの事が始まったみたいだ!
「早く起きろって言ってんだろ!!いいかげんにしな!」
「だから、まだ眠いんだってばァ。いいじゃん別にさァ」
 毎回毎回こんなことになる。そして最後には……
「いい加減にしろ!!起きろって言ってんのがわかんないのか!」

 ドゴッ!

 一蹴――――ハルの蹴りがゼルの腹へ食い込んだ。
 ハルは高校3年生で空手部の主将をやっている。その空手部で磨いた蹴りがゼルを沈めた。
「ゲホッゲホッ、痛ってー。なんだってんだよォ、今日って…なんかあったっんだっけ?」
「昨日言ったことを忘れたの!?全くあんたはすぐに忘れるんだから…。今日はお父さんのお墓参りの日でしょ?」
 そう、今日はゼルの父親の墓参りに行く日だったのだ。
 ゼルの父親は12年前、ゼルをかばって死んでしまった。それからは義理の姉、ハルの所で10年程世話になっていた。
 しかし2年前ある事件がきっかけでハルとゼルは家を追い出されてしまった。その事件というのは次の機会にでも話そう。
 と説明している内に父親の墓標の前へ着いてしまったようだ。やはりゼルは沈んでいる様だ。
「父さん、ごめん、ごめんなさい。オイラのせいで…。」
 ゼルはここに来るたびに父親の墓の前で謝っていた。
 自分のせいで自分の父親を死なせてしまった事を今も悔やんでいた。
「ゼル、いつまでもそんな事でくよくよしてても意味がないよ。もう戻ってこないんだから……。
 それに、終わっちゃった事を考えても何にもならないよ。そんな暗いゼルはいつものゼルじゃないよ!」
「お姉ちゃん…。そっか、そうだね。オイラ、頑張るぞォ!!元気出してお父さんの分も生きるぞ〜。……ん?お姉ちゃんなんか言った?」
 ゼルの耳に変な声が入ってきたようだ。
 しかしよかったよかった、ゼルが元気になって。それにしても何だろうかこの声は…?
「どうしたの?ゼル…いっ、何この声は?頭の中に響いてくる。」
「お姉ちゃんも?てか何だよこの声は…痛ってェー頭割れそうだよォ。」
 何だこの声は?地の底から響いてくるようだ。いやな予感がするが…。あん?なんだって?
『・え・わ・・あ・・・も・き・・な・な・』
「何?え?あ?わ?何語?」
「そんなのんきなこと言ってていいの?う…また来た。」
 何だろうか?この声は。途切れ途切れでいまいちよく分からないが。
 ナレーションのくせに分からないなんて、おかしいな。
『き・・じ・・・の・き・・な・な・』
 変な言葉は消えたがハルとゼルの体は黒い光に包まれて消え始めた。
 お!? ナレーションの俺も一緒なのか…?(当たり前だよ!)
「やだよォ、消えたくないよォ。」
「何だよこれ?誰か助けてくれー!!」
 2人は薄れていく意識の中で…!?白い光を見つけた。光の中から人の声が聞こえる、それも女の人。
「何?今度は違う人の声!?もうどうにかしてよ!」
「でもなんか暖かいよォ。お母さんみたい。。。助けて…欲しいな…。」
『我を捧げ汝を奉る-汝の守護のもとこの者達を救い給え-いかなる災いより…』
それは静かで優しい言の葉だった。ゼル達は、自分の母親のように温もりを感じていただろう。



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