ネオリーム
  第3話 招かれざる訪問者(前編)


 あれから四人は一晩中語り明かした。
 なぜあんな所にいたのか、何処から来たのか…この世界のこと。
 布団に入ったのは夜が明けるころだった。それから数時間が過ぎ…!?

 ドドーン、バーン、ズダーン!

 外を激しい音が響いた。驚いた4人は目は目を覚ました。それにしてもうるさい音だな…
「なんだ?うるせーな。何処の誰だよ、騒いでるのは。」
「何よ、この音は。ちょっと見てくるわ。」
 レイラはそういうと家の外へ出て行った。すると…
「何なの?ここにはそんな人はいないって言ってるじゃない!」
 レイラの怒った声を聞きつけたゼル達は外へ向かった。いったいなにが起ころうとしているのだろうか…!?
「どうした?レイ…!なんだこれは、誰がやったんだ。」
「こいつよ、こいつが皆を。」


 街は焼け野原になっていた。街の原型を残さぬぐらいに…。
 そして家の前に一人の男が立っていた。なんか不気味な感じのする男だ。
「あなたがディルさんか…。お二人さんは有名だよ、『外れ物』のディルとレイラってね。」
「くっ、てめえ何者だ!何でこんなことしやがる。何が目的だ!」
 すると男はニヤッと笑って、
「俺はただ邪魔者を排除しに来ただけだ。ここにいるって情報があったからな。」
「ここにはそんなやつはいない。ここにいるやつらは皆良いやつだ。だからさっさと…。」
 ゼルが話に首を突っ込んだ。そのおかげで大変なことになろうとは…
「あのぉ〜、どうしたんですか?なんかあったんですか?」
「ほらいるじゃないか、邪魔者が。二人も。」
「え?この子達が邪魔者?どういうことなの?」
 ゼルとハルが邪魔者、そう言われたゼル達は…当然だろうが意味が分からずにいた。
「オイラ達が邪魔者?どうして?何もしてないよ…。」
「そうか、何もしていないか。ふっ、ふははは…。まあいい、それじゃぁ、消えてもらおうか…。」
「それはさせないわよ!この子達は何も悪いことしてないもの。」
「そうだな、こいつらの為にも。それだけじゃない、この街の者の為にもお前を倒す!…お前らは家に隠れてな。」
「は、はい。行くよゼル。」
「…うん…。」
 ゼル達は家の中に入った。ディル達は武器を構えた。それに変わって、男はただ笑っているだけだった。
「いくぞ、レイラ!」


 一方家の中では…
「大丈夫かな…ディルさん達。」
「大丈夫だよ、昨日みたいにすぐにやっつけてくれるよ。大丈夫…。」
 二人はディル達を心配していた。悪いことが起きなければいいのだが…。


 そして外では…
「はっはっは…。そんなもんなのか?お前らの力は。」
「ハァ…ハァ、ハァ。うるせー、まだまだだっていってんだろ。いくぞ!」
 ディルは体勢を低くし地を蹴った。そしてレイラの黒魔法の詠唱。
 レイラの周りに魔力の源(マナ)が収束を始めた。そして…
「『全てを砕け冷酷の刃』…【ランス】!」
 レイラから何本もの氷の塊が男に向かって飛んでいった…しかし男が手をかざすと氷の塊は消滅してしまった。
「そんな弱い攻撃じゃ、この魔性壁は壊せねーよ。」
「ならば直接斬り付けるまでだ!くらえ、【真空波】!そんでもってエミディオン流奥義【避空閃破】!」
「魔法が駄目なら物理か単純だな…。だがそんな物は…。」
 男はディルの攻撃を意図も簡単に避けてしまった。そしてそのまま家に入って行った。
「しまった、やばい中には…。」


 ディル達が男を倒すと信じていたゼル達は男が家に入って来た事を知る由もなかった。
「あっ、終わったみたい。レイラさん達戻ってきたみたいだよ。どうでした?…!」
「どってことなかったよ、あんなやろう共。それじゃぁ任務の続きだ、死んでもらおうか!」
 扉の前に立っていた男にゼルは捕まってしまった。
「う…くる…しい…。」
「ゼル!」
「おっと、動くなよ。こいつをやったら次はお前だからな。そこでかわいい弟が死ぬのを見物しているんだな…」
「待て!」
 そこにディルがやって来た。レイラがいないようだが…
「ハァ、ハァ…やめろ…そいつを放せ!もし殺したらお前を殺す。」
「そんな事が出来るのか?そのよわっちい技で。」
「ふん、今はお前を倒せなくてもそいつを助ける事は出来るぜ!」
 ディルは軽く笑うと剣を男へ向けた。そこへ!
「ならやってみ…!!」
 男の背中にレイラの黒魔法【フレイム】が当たった。



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