ネオリーム 第5話 追放 次の日… ドンドン、どんどん…!!家の扉を激しく叩く音がしてゼル達は目が覚めた。 「なんだよ。朝っぱらから…人の家を壊すきかよ。ったく。」 「私が見てくるわ。」 レイラは嫌々そうに外へ向かった。レイラがそこで見たものは…!? 街の人たちだった。レイラはビックリして困惑した。 「な、なんですか?こんな朝早くに…。」 レイラの声を聞きつけディルたちが出てきた。 「なんの騒ぎだ?…なんだ、街の人たちじゃね〜か。なんかあったのか?」 すると街の人たちは…! 「さっさとこの街からそいつ等を追い出せそいつ等がいるからこの街が襲われるんだ!」 街の人の指はゼルとハルを指していた。確かにあの男はゼル達を狙ってきたが…それは言いすぎだろ。 ゼル達は何もしていない。ゼル達は当然ながらショックを受けているようだ。当たり前だが… 「何で?オイラ達は何もしてないじゃ…。」 「そうよ。この子達は何もしていないじゃない。それにまだこの子達は…。」 「うるさい!ごちゃごちゃ言うならお前らも出て行け!この『外れ者』共が!」 「「「…!!」」」 外れ者…それはディルたちにとって死ねと言われているのと同じくらい酷いのものだった。 レイラはショックを受け家の中に入ってしまった。ディルはカッとなり、 「おい、その言葉がどれだけ傷つけるのか分かって言っているのか!」 と怒鳴ったが街の人たちは、 「し、知らねぇ〜よ。いいからさっさと出て行け!」 それを聞いていたゼルは、 「分かりました。出て行きます…だからこの人たちに謝って下さい。ディルにレイラにちゃんと謝って下さい。」 「ゼル、あんた…。分かったよ。僕も行くよ、姉だからね!」 ハルは笑って見せた。しかしどこか寂しい表情だった。 「俺らも出てくぜ!いいだろレイラ。」 「いいわよ。」 レイラが出てきた。しかしその顔には新たな決意があるようだった。 「それにこの子達が出て行っても私たちがいたら意味がないものね。またいつこの子達を襲ってくるか分からないし…。」 「ふん、分かったらさっさと出て行け!」 すると人ごみの中から町長が出てきた。そして… 「すまないお前達。この街を出るならこれを持っていくがよい。」 そう言うと町長は一つの袋を置いて街の人たちと帰っていった。 袋の中身は…。なんと中身はディル用の新しい剣、レイラ用の新しい杖。そして一通の手紙だった。 『ディル、レイラそしてゼル達へ 本当にすまなかった。私に出来るのはこのぐらいだ、ディルには剣を。レイラには魔力の上がる杖を。 ゼル達にあげられるものが見つからなかった、すまない。この街を出て行っても元気で頑張るんだぞ。 町長 ○○○○』 「あのじじい…これは大事に使わせてもらうぜ。それじゃあ準備が出来次第出発するぞ!」 そして4人は静かに街を出て行った。 しかし誰も悲しんではいなかった。これからの旅にそれぞれの願いを乗せ…。 おっと、私も行かなくては。置いて行かれてしまう。(バカ) 第1章 完 |
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