ネオリーム
第2章 旅立ち





  第3話 真実(前編)

「ちょっとー、なんで食べちゃうの?それオイラのやつだよー!!」
「さっさと食わねえのが悪いんだろう?」
 ディルが笑った口調で言う。


 あれからというものの、毎日のようにゼルとディルはケンカをしていた。それもほとんどが食べ物のことで…。
「だから、最後に食べようと思ってたんだってば!!」
「置いとくからいらねえのかと思ってよ♪」
「ディルのバカぁあー!」
 ゼルの目には涙が溢れていて、今にも噴き出しそうだった。ディルはそれを見て笑っているが…。
 最近はもう朝食から夕食までケンカしっぱなし…それもどんどん激しくなってきている。
 いくら普段怒らないとはいえ、レイラとハルはいつも頭を悩ませていた。
「いい加減にして!2人とも、食事のときぐらいは静かにしてよ!」
「2人とも、静かにしなさい…――――」
「ああー、また食べたー。それオイラが最後にってデザートにとっておいたのに!!」
 ハルはともかく、さすがのレイラにも今回ばかりは我慢し切れなかったようだ。
「いい加減にしな!ディル、あんたまで子供みたいなこと言ってんじゃないわよ!!」
「ゼルも静かにして!言うことを…聞けってぇ!!」

 ドゴッ!ゴフッ!!

 レイラの拳とハルの蹴りがディルとゼルを沈めた。
「痛―、拳はないだろ拳は!バカになったらどうするんだよ!」
「ゲホッ、ゲホ…食べた物が出ちゃうよ〜。蹴ることはないじゃん蹴ることは!」
 ゼルとディルは顔を見合わせて口々に文句を言った。
「それ以上はバカにはならないでしょ?それにしても毎回のことだけど仲直りは早いのね。」
 レイラは呆れた、と大きなため息をついた。


「…よし、それじゃあ今から俺達の本当の目的について話を始める。」
 ディルはイスに座り直して静かに語り始めた。他の3人は無言で頷きディルに合図した。
「俺達の目的は…それは魔族を倒すこと。」
 ディルはまあ、俺達じゃなくて俺の目的なのかもしれないけどな…とは口からは出せなかった。
「まずはこの近くにあるっていうアジトを潰すことからスタートね。」
「ああ。俺達はウンディーネと契約してから今日までそれぞれ特訓に励んできた。それにまたゼルに助けられてちゃ俺達のプライドが許さないからな。」
 ディルはゼルの方を向いて言うと、ゼルはそう?と肩をあげて見せた。それを見てからレイラは、
「明日でいいかしら?対戦は。」
 と自信を持ってきっぱりと言った。
「そうだな。それじゃあ明日の戦いで勝つために今日はさっさと寝るぞ。」
「は〜い!ふぁ〜あ、それじゃあおやすみなさーい。」
 そう言うとゼルは大きなあくびをするとさっさと自分の部屋へ行ってしまった。


 それから夜が更けてきた頃…
「…どうしたの?ハル。」
 宿屋の近くにある橋の上で星を見上げていたのは…ハルだった。
 レイラは窓辺からハルを見つけやって来たのであった。
「あ…レイラ。どうしたの?こんな時間に…。」
「それはこっちのセリフでしょ!何やってるのよ、こんな時間に。明日は敵の中に行くのよ?分かっているの?途中で倒れられても助けてあげられないのよ!」
 レイラは眠たそうに目をこすりながら少し怒った口調で言った。しかしハルは、
「僕ね…不安なんだ。明日本当に大丈夫なのかなって…。ちゃんと帰ってこれるかなって。」
「何言ってるの?大丈夫に決まって「「ううん、違うの。確かに皆強くなったよ。」」
 ハルはレイラの言葉を遮って自分の気持ちをレイラに話し始めた。目線はまだ星を見上げたまま…
「ディルは強くなったよ、もちろんレイラも。まだそんな長い時間は一緒にいないけど、それでも凄く分かるんだ、強いって…。それにゼルも。伝説のウンディーネと契約しちゃうんだもん…。この前もゼルがいなかったら僕達は間違いなく死んでたと思う。」
 ハルはゆっくりと星から目線をレイラへと向けた。しかしその目には涙が溜まっていた。そしてハルは吐き出すかの様に続けた。
「でもね!!3人は強くなったけど、僕は…僕は何もできない…。ただ治療するだけ。何のとりえもない…。僕は「「何言ってるの!!」」

 パーン!

 近づいてきたレイラにハルは頬を思いっきり叩かれた。
「誰が…誰がとりえなんてないって言ったの!勝手に決めないで。ハルの呪紋のおかげで助かったことが何回もあったじゃない!あなたは私達の大切な仲間なの、だからそんなこと言わないで!」
 そう言うとレイラは走って行ってしまった。
「うん…。ありがとう…レイラ。」
 ハルは走って行くレイラの背中を見ながら呟いた。ハルの目からは滴となって涙が零れ落ちた。


 そしていつもと違う朝陽が昇った。
「みんな、行くぞ!」
「「おおー!!」」
 気合いとともに4人は敵のアジトへと歩き出した。それぞれの胸には確かなモノがあるだろう。
 しかしハルにはやはりまだ少し不安があるようだ。
 不安というよりも不吉な予感…。それが当たらないことを願いながら向かうハル…。


「うわー、敵さんいっぱいだね♪」
「そうだな…ってお前また楽しんでないか?この前のように。」
 この前…それはウンディーネと契約を果たしたときのことだ。確かにあのときは楽しんでいたが…。ゼルはニシシ、と笑って見せた。ディルはハァ…とため息をついて、
「今回は前みたいにうまくいくとは限らないんだぞ。少しは緊張感もてってんだ…ったく。」
「まあいいんじゃん。そのお気楽なのがゼルの良い所だしね。」
 しかし言葉とは裏腹にハルの顔は笑ってはいなかった。それをレイラは昨日のことね…と見て見ぬふりをした。それにしても警備が厳重だ。今4人は茂みの中に隠れて様子をうかがっている。
「かなりの数だな…どうするか。」
 ディルは舌打ちし辺りを見回す。レイラもこの膠着状態で苛立ち始めていた。すると
「じゃあ、オイラがおとりになるよ。」
 ゼルの爆弾発言に…もちろん他の人達は
『!!』
「何言ってるの!?あなた本気でそんなこと言ってるの?」
「ダメだよそんなこと、なんでゼルなの?」
 レイラとハルの勢いに押されながらゼルはまあまあ、と手で押し返した。
「だって、ディルとレイラがいないと戦いにならないでしょ?それに回復してくれるお姉ちゃんもいなきゃダメだろうし。だからオイラが一番いいかな…って思ったんだ。」
「な…だからって「「そうだな。ゼルなら丁度いいんじゃないか?」
 ディルも同じようなことを考えていたようだ。しかし次の発言は…
「背も低いしな♪」
「なッ!!ヒドイ…オイラだってちっちゃくなりたくてなったんじゃないやい!」
 やはりゼルは怒ってしまった。ゼルはフン、とそっぽを向いた。確かにゼルの背は小さい。ディルの背が178pでレイラが168p、ハルが172p…そしてゼルが155p。これじゃあ小さいと言われても仕方がないだろう。
「冗談だ冗談。…しっかり頼んだぜ!」
「うん!」
 ゼルとディルは拳をコツン、と合わせた。


「それじゃあ行って来るよ。」
 ゼルが槍を背負い、立ち上がると
「ちゃんと来るんだよ。もし来なかったら…ケツ蹴り100発だからね!」
 ハルは構えて見せた。ゼルはうわー、殺される〜と尻を手で押さえながらその場を離れた。
「ちゃんと…――――」
「もっと信じてあげたら?ゼルだっていつまでも何もできない訳じゃないのよ。」
「そうだ、もしものときはウンディーネだってついてるしな。あいつだってもう戦えるほど強くなったんだ。」
 レイラとディルはハルに向かって笑って見せた。ハルは納得したのか少し微笑んで見せた。
「それじゃあゼルが奴等を引き付け始めたらすぐに動ける用意をしとけよ。」
 レイラとハルは頷き、そのときを待った。


 辺りが騒がしくなった。警備員達が慌ただしく動き出す。
「おい、そっちにガキが行ったぞ!みんな追えー!」
 辺りにいた警備員達が一斉に走り出した。ディルはうまくいったみたいだな、と腰の鞘に納まっている剣に手を当て、もう一方の手でレイラとハルに合図した。3人は一斉に足リ出した。そして…


 戦いの火蓋が切って下ろされた。
 敵を引き付けるゼル、そしてアジトに入り込んだディル達…。



――――ゼル編(1)

「待てー!いつまでも逃げられると思うなよ!」
「もー、いつまで追いかけてくるの?いい加減にしてよ!」
 ゼルはあれからかなりの時間を逃げ回っている。そろそろ体力の限界だろう。
 するとゼルは走るのをやめ、くるっと振り返った。
「ふう…やっと観念したか。さあこっちへ――――」
「はぁ?何言ってるの?オイラが自分から捕まると思う?なめないでよ!」
 そう言うとゼルは片手を天へと掲げた。そして精神を集中し静かに言ノ葉を唱え始めた。ゼルを青いマナが急加速し取り囲んだ。
「…『我が名はゼル・ターレスク‐契約を継承するもの‐我に成してこの時この場に立ち戻れ』召喚――――」
「ウンディーネですか…。やはりあの方のお子さんですね。」
「!!」
 突然の男の介入にゼルの集中力が切れてしまった。収束したマナが消えた。
「だれ?あんた…。」
「貴様!!この方に向かって『あんた』とは何様のつもりだ!この方は我々の――――」
「下がりなさい。」
「し、しかし『マクスウェル様』この者は…――――」
「私が良いと言っているのが分からないのか?」
 一瞬にしてその場の空気が一転した。ものすごい威圧感と殺気で男達同様ゼルも一歩後ずさりした。
「は、はい!失礼しましたー!!」
 警備員達は勢いよくその場から離れて行った。
「あんた…まさか魔族?」
 ゼルは背負っていた槍を構えた。男…マクスウェルはゼルの方を向くとさすが、と呟き
「さすがですね。さすがですよ、ゼル・ターレスク。なかなかの勘のいいお方だ。そうです、私は魔族ですよ。」
「!なんでオイラの名前知ってるの?」
 ゼルは槍を握っている手に力を加えた。マクスウェルはゼルの反応に少し呆れ、
「少しは自分の立場を考えたらどうですか?あなたは私達魔族に追われる身…何故だかお解かりですか?」
 マクスウェルはきっと分かっているだろう、と質問を投げ掛けたつもりだったが…やはりゼルには分かっていなかった。ゼルは、はぁ?と大きく首を傾げた。ゼルは腕を組んでうーん、うーん、と唸っている。…ん?なんか寝息のような…
「ゼル?どうしましたか?」
 ゼルは、は!と気付き
「オ、オイラ寝てないよ!起きてるよ!」
「(やはり寝ていましたか、嘘が下手くそ…)それでお解かりになりましたか?」
 この子供は本当にバカのようだ。何のことだか忘れてしまっている。男もさすがに呆れてしまった。本当にあの方のお子さんなのか?とマクスウェル本人でも悩んでしまうほどのゼルのバカさっぷりには敬意を表する。それにしてもなぜここまでバカなのだ?マクスウェルは一呼吸置くと、ゼルに秘められた真実を語り始めた。



――――ディル編(1)

 潜入してから数時間が経過した。しかし敵1人も見かけない。さすがのディル達も不思議に思い、足を速めた。…そして着いたのは大きく広がったドームのような場所だ。
「なんだここは…?」
 ディルは周りを見渡しながら呟いた。ハルとレイラもそれぞれ、何?と呟いた。するとドームの真ん中に黒いもやが噴き出し、中から1人の女が現れた。
「ここは闘技場だ。」
『!!』
 3人は驚きながらもそれぞれ武器に手を掛けた。
「(こいつ、女の癖してなんて殺気立ててやがる!目が離せねえ。)誰だ貴様!」
 ディルの剣を握る手は無意識のうちに力が入った。額から汗が流れる。それは他の2人も同じ…ハルは立っていることさえ辛いようだ。
「そう固くなるな、お前達…このアジトを壊しに来たのだろう?だから私なりに考えたんだが…今から3対3の勝ち抜きバトルをしようと思う。どうだ?悪くはないはずだ、お前達も自分達の力がどれぐらいか知りたいだろう?こちらもここで腕利きの奴を出そう。それで勝てた奴はこのアジトを好きにしていい。しかしお前達が負ければ…分かっているな?」
 女はそう言うとパチン!と指を鳴らした。すると、ドームの明かりが消え中央だけに照明が点けられた。ディルは考えてもしょうがないか…と一歩前に踏み出し、
「分かった。その戦い受けてやるよ。どうせ何も無しにとはいかねえだろうと思ってたしな。」
「全く…勝手に決めないでよね。」
 と言いながらもレイラはかなりやる気満々のようだ。しかしハルは戦えるのか…?それは本人にも分かっているようだ。
「僕は…――――」
「大丈夫だ、俺達が2勝すりゃあ勝ちなんだからな。絶対負けやしねえよ、安心しな。」
 ディルは鞘に納まっている剣を抜き、ステージへと向かった。そしてヒュッ、と一振りした。
「覚悟は出来たみたいだな。それじゃあ行くぞ、来い…ケイロス!!」
 女はそう言うと指をパチン、と鳴らした。その音はドームいっぱいに広がった。するとステージの中心が開き男が現れた。それにしても何てでかさだ。ディルを見下ろすのが大変そうなほどだ。多分4メートル近くあるだろう。当然ディルは一瞬目を疑ったに違いない。もちろんレイラ達もだ。
「何あれ!?ちょっとでか過ぎじゃない?いくらなんでもあれじゃあディルが…。」
 ハルは少し慌てているようだったが、レイラは冷静に一言
「ディルがあんな奴に負けると思っているの?ディルは負けないわ。」
 力強い…。信じているからこそ言えることなのだろう。ハルは、そうだね…と頷いてステージを向いた。
「ぐふふふ…。オレ様と戦おうなんていい度胸しているじゃないか。しかし決してお前はオレ様には勝てない。なぜならオレ様には魔族の血が流れているからな。オレ様は魔族と人の混血なんだ。」
 男…ケイロスはディルをバカにしたようにあざ笑っていたが…
「言いたいことはそれだけか?魔族の血なら俺にも流れている。俺も混血だからな。」
 ディルは握った拳を見つめ、悲しそうに言った。しかしケイロスは
「では、なぜ我らの邪魔をする?魔族の血が通っているのなら、我らと一緒に歩めばいい。」
「少し黙れ!俺は決してお前らとは手を組まない。…俺は、魔族を憎む…。家族を奪われ、仲間を失った。だから俺はお前らを倒す!」
 今にも切って掛かりそうな勢いを見て女が試合の開始を合図した。とうとう試合が始まった。片方は魔族としての自信、そしてもう片方は家族達への誓い…。果たして勝つのは…?



――――ゼル編(2)

「何だって?今何て言った?」
 ゼルはマクスウェルの一言にただ驚くしかなかった。なぜなら…
「聞こえませんでしたか?あなたは魔族です。」


「あなたは魔族です。」


「うそ…。オイラが魔族…?」

 ドサッ…

 ゼルはその場に膝を付いた。ゼルの額を汗が流れ、膝へ落ちた。ゼルには今までにないくらいのショックなことだ。そして今頭の中は今にもパンクしてしまいそうなくらいで気を失ってしまいそうだった。
「嘘なんかではありませんよ。本当です。現にあなたの父親である、『シン・ターレスク』様も魔族でした。そして母親である『マリア・ターレスク』様も…。」
「お父さんも?お母さんって…な、なん…だ…これ。頭ん中に入ってくる…。」
 ゼルの頭の中には有り得ないぐらいの記憶が流れてきた。そしてそれが頭の中でビジョンとして映し出された。
「うう…。」
「くくく…。思い出すがいい…そして我らに着いて来るがいい、裏切り者共の息子よ。うはははは…。」
 マクスウェルはゼルを見下ろして大声で笑い続けた。



――――ディル編(2)

「1つ言っておく、このステージからは落ちないようになっている。思う存分楽しめるようにな。それでは…始め!!」
 女の合図で両者は勢いよくぶつかり合った。やはり体格差からか、ディルは吹き飛んでしまった。しかし女の言ったとおり、見えない壁によって落ちることはなかった。
「く…なんて力だ。それにあの体のでかさ…ならば速さで勝負!!」
 ディルはすばやくケイロスの背後に着き、切りつけた。だが…
「なっ、はや…!」

 グワン!!

 男はさらにディルの背後に回り、手にしている大剣を振り下ろした。ディルは間一髪身をねじり、剣で防いだ。
「くぅ…(負けた…速さまで奴の方が上かよ。)やるな、お前。」
「どうした?オレ様を倒すんじゃなかったのか?それともやはりさっきのは出任せか?」
 あのディルの上をいっている。確かに実力はかなりのものだろう…。しかしディルにもまだ状況を打破できる状況にいる。それをディルも分かっているはずだが…
「さて、次はどうするか…(やっぱりアレを使うしかないのか?それとも…)。」
 アレ…それは数日前に大滝でレイラと使った術のことか?
「どうした?さっさと来い、来ないならオレ様から行くぞ!」
 ケイロスは、先程と同じく、一瞬で後ろに回りこんだ。速さで勝てないディルには逃げ切れない。ハルはもうダメ…と手で目を隠してしまった。女も勝った、と笑ったがその笑いは一瞬にして消えた…

 ヒュン、ズバァァ!!

 …ズシーン!

 ケイロスの体が大きな音を立てて倒れた。足から胸に掛けて斜めに深々と切り込まれて…。一体何が起きたのだろうか。そこにいた全員が目を疑った。
「グハぁああ!何が起きたんだ、なんで…オレ様が倒れて…いるんだ?貴様、一体何を…した!!」
 ディルは、剣に付いた血を払いながら言った。
「俺の使った技は『返し技(カウンター)』だ。俺の使うエミディオン流の中には3種類の返し技が存在する。今のが、【燕返し】。相手の攻撃を剣で受け流しながら懐に入り込み、下から勢いよく切り上げる技だ。燕がエサを捕らえ急上昇するのと同じ…まさに燕の如しだ。」
 と鞘に剣を納め、レイラ達の方を振り返った。それを2人はうん、と頷いて見せた。
「強いな…。まさか本当にやられるとは思いもしなかった。でもなぜわざと急所を外した?」
 するとディルはケイロスの横にしゃがみ込み
「わざとじゃない、ただ初めてだったからうまくいかなかっただけだ。だがもう長くは持たないだろう。たとえ生き延びたとしても、もう戦うことはできないだろう。それどころか、動くことさえままならないだろうけどな。」
「ぐ…。無念。」
 そう言って立ち上がるとディルは女に向かい、ここから出せ、と顔で合図した。女もそれを見て、見えない壁を解いた。そして次の対戦相手を呼んだ。
「一戦目は負けたか…まあ、ケイロスには荷が重すぎたな。だが次はそう簡単にはやられないぞ。来い、プラグ!」
 次も男だ。しかし先程とは違い普通の体系をした男だ。手には杖…やはり魔導師か。
「じゃあ、次は私ね。」
 レイラも準備はできている様だ。ディルはレイラとすれ違いざまに一言
「無理はするなよ。」
 それを聞いてレイラは
「誰に言っているの?そう簡単には負けないわ。」
 レイラと男…プラグがステージで向き合った。
「ヒョー、女が相手かよ。じゃあオレが勝ったら夜付き合えよ。」
 プラグはニヤニヤ笑っているがレイラは関係なさそうに
「それは多分ないわね、だって負けるのはあなただもの。」
「へー、いい度胸してんじゃん。まあオレはその方が好きだけど〜♪」
 レイラは呆れたように、
「さっさと始めてくれる?」

 バ!!

 女の試合開始の合図が上がった。両者とも魔導師同士。勝敗を分けるのはやはり魔力の差か…果たして…?




* * *

 第2回☆雑談会☆(ゼル・ハル・ディル・レイラ)

ゼル「やったぁ〜2回目だ♪」
ディル「あのな、1回や2回で終わっちゃったら意味ねえだろ。ったく、いつまでたってもバカなんだからよ。」
ゼル「うるさい!嬉しいときはちゃんと喜ぶべきだよ。ディルはもう少し感情豊かになったほうがいいと思うよww」

ハル・ディル・レイラ『それはあんたが豊か過ぎてるだけ!』

ゼル「ぶ〜、みんなして言わなくてもいいじゃん!感情豊かはいいこと♪」
レイラ「はいはい、あんなゼルは放っておいて…で今日は何のことで話すのかしら?」
ハル「今日は、3話+ちょっと早いけど4話のことかな。まずはケンカから;」
レイラ「それにしてもホントに子供っぽいけんかばっかりよね;呆れるわ…。」
ハル「そうだね;毎回毎回よく飽きもしないでケンカできるよね;」
ゼル「ケンカしたくてしてるわけじゃないよ!あれはいつもディルがいけないの!
   オイラは好きなもを最後に食べるのがすきなの!」
ディル「それで最後には俺に食われちゃうんだよな(笑)」
ゼル「食べなきゃいいじゃん!!」
ディル「なんかよ、食べてくれって書いてあんだよなww」
ゼル「食べ物に書いてあるわけないじゃん!!」

 間に割って入って…

ハル「また始まった。ケンカするならあっち行って!」
ゼル「分かったよ。移動するよ!」

 移動するゼルとディル…

レイラ「移動までしてケンカしたいのかしら;ハァ↓↓」
ハル「まあ、いいや次いこう。次はディルのお父さんとゼルのお父さんのこと。」

 ダダダダダダダ!
 だだだだだだだ!

ゼル「はあ、はあ…それはオイラと、」
ディル「はあ…はあ…俺が話す。」

 ちょっと引いたハルとレイラ。

ゼル「ふう…あのね、なんかオイラのお父さん、シンと、」
ディル「はあ…俺の父さん、ルシファーは小さい頃から一緒だったらしい。」
ゼル「で、一緒に一流の軍隊?の学校に入ったんだって。」
ディル「それから、その学校を卒業後、また一緒に一流の戦士育成の施設に入隊したらしい。」
ゼル「でもそこはみんなが魔族だったから、ルシファーは嫌われてたんだ。
   でもシンと一緒だったから頑張れたんだって。」
ディル「それに2人とも成績がトップだったらしいしなww」
ゼル「ねえ〜♪」

ハル「うーん、なんかアバウトすぎでよくわかんなかったけど…ま、いっか。」
レイラ「じゃあ、今回はこの辺で。」
ゼル「もっといっぱい人数いれば楽しいのに☆」
ディル「まあいいじゃねえか。じゃ、また次回…」
ゼル「待ったぁぁー!!次回の予告はなしてなかった;危ない危ない。
   えっと、次回は…今回の続き(笑)あと、レイラの新しい技も見れる?読めるよwwでゎ、まったねえ〜!」
全員「「バイバーイ☆」」



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