黒ティックドーン列伝・赤間弾の激伝5選 第五位・初陣の儀式(Battle−1 VSジャイアントラット) よぉ、可愛い女の子の皆、オレは芹雄だ。 バイラーダスでは自他共に認める一番強い冒険者だ。 そして信条は男共は空気未満なのだが、あいつとの出会いで半端ない音を立てて崩れてしまった。 こいつに気を付けていればオレはお気に入りの女の子たちを仲間にしてハーレム旅行をする計画だったのが空気共に執拗に言われるわ女たちには嫌われまくるわと散々だ。 すまんすまん、感情的になりすぎた。 あいつ、つまり赤間弾と出会ったのは仲間のファンチーヌがあいつを弟子として連れてきたことが切欠だった。 オレは彼女のしごいてとの頼みを聞き入れたふりをして下働きとして扱き使った。 彼は不満を言うことなく従ったので頃合いを見計らい弱いモンスターの退治依頼を独力でやらせて成功したら卒業の名目で別れる計画を内心立てた。 そしてその時が来た! 現在では珍しいジャイアントラット退治依頼だ。 ジャイアントラットというのは早い話が巨大なネズミで、全高が一般の人の膝の大きさぐらい。 戦闘能力は弱い。卒業とかこつけるにはもってこいだな。 「赤間君どうしたの? 早く行かないとダメよ。もしかして、怖いの?」 「違うな。先ずは初陣の儀式をしないとな」 ファンチーヌの疑問に真剣に唱える空気。訳わかんねェよと思った矢先、空気が大振りのナイフで木を切った。 しかもその後で、ナイフを草原に投げつけた。ナイフが草原に刺さった途端、僻辺り一面に燃え広がった。 「な、何やってるの!?」 「自然破壊は楽しいZO?」 あ、あいつ何やってやがんだ? *「止めてー、皆の森を壊さないでー!!」* 十数匹のジャイアントラットが抗議してきた。 ってお前らネズミだから人みたいに立てないし、両手いや前足を左右に広げられないだろ。それ以前に人語話せねーだろ! 「うるせーッ! 今日からここはゴルフ場になるんだ!」 また、空気いや赤間は訳のわかんないことをほざきやがった。奴は両手で三角形を作った後、両腕を広げ戦闘態勢をとった。 「レッドファイッ!」 あのバカはそういうなり、ジャイアントラットの大群に挑みかかった。 この文を読んでいる方々は素手で挑む姿を想像するのが多いだろう。 その通りでこれはルナティックドーンシリーズの世界では珍しい事ではない。 事と次第によっては全長が人の四分の一程の大きさのゴキブリ相手に素手で挑まないといけないのだからな。 とにかくオレ達が必死で鎮火し終わった時、あいつ赤間はジャイアントラットの大群を全滅させた。所詮は雑魚モンスターだからできて当たり前か。 疲れたので俺達があいつを連れて帰ろうとしたが赤間がその場を動かないのでファンチーヌが理由を尋ねると、 「まだ儀式が終わっていない」 赤間はそう言うと、どこからともなく長い手槍を取り出し、*そこら辺の岩に刺した*。だから何でそんな事、すんだよ! オレの心の絶叫を無視して赤間は右手を頭上に掲げた。後にクウジに聞いたところそれはやってはいけない行為だとの事。 あいつ、狂ってやがる……。 退治依頼達成の報酬をもらった俺達は予定通り一人前になったとかこつけて赤間と別れた。 後にこの事件は*『世界の通り魔誕生事件』* と称され、ルナティックドーンの世界で知らない者はいない事件として語り継がれることになった事件の詳細である。 この名称でわかるが、赤間は『世界の通り魔』として恐れられており、オレはそいつの生みの親と思われるのだった。 それ以降オレはこれまでの男は空気の信条を改め、相応に相手するように気遣うようにしている。 ナレーション:「いやー、赤間弾の見事な初勝利! その調子で今後も襲い掛かってくる数々の悪者から世界を守ってくれ、頼むぞ、僕らのヒーロー赤間弾!」 *見事じゃねーよ、ナレーションさんよ! 初っ端から秩序乱してるじゃねーか!* *犯行内容:自然破壊* * 犯行動機:初陣の儀式* * 被害者の方々:ジャイアントラットの大群* |
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