ドライヴ。それは、一人の開発者が携帯電話を基に開発した携帯ツール。
 専用のバトル・フィールドにおいて、ドライヴと呼ばれるロボットを構築してバトルを行う。
 そのドライヴを持つ者達をコネクター。そして、コネクターの頂点に立つ4人を『フォース・コネクター』と呼ぶ。



『ダーク・コネクター』と呼ばれる敵との戦いが終わり、ドライヴは新たなる道を歩き出した。
 日本から世界への進出。『ドライヴ・マスター』の破壊を危惧されていた存在が消えたからこそできる事。
 そして、設立される”プロ”と呼ばれる領域。世界中で誰もが楽しめる物になりつつあった。

 ドライヴは、初代『フォース・コネクター』達が夢見ていた物へとなりつつある。














































































































 だからこそ、この新たなる脅威は許されない――――
















































































Drive-Connect!

- SPECIAL EPISODE -











 CONNECT01.『初めてのコンビバトル』



 この日、彼女――――星川明日香はAランクになった。
 相手は『チーム・アレス』の一人、天鷹姫里。
「蓮杖君から申し込まれたバトルだったから、接近戦用にカスタムしたのが仇になるなんて……」
「悪かったな。Aランクで頼める知り合い、あまりいなくてさ」
 負けても悔しさはないのか、天鷹姫里はあっさりとしていた。謝る飛鳥に「良いって」と返す。
「久しぶりに良い感じでバトルできたし、何より接近戦って初めてだったから」
「あれは、大滝のドライヴのカスタム装備じゃなかったか?」
「うん。それをオーディーンに使用してみた。美里がセットアップしてくれて」
 それを聞くと、つくづく、大滝美里と言うコネクターは奇妙な才能があると、飛鳥は思った。
 コクピットランサーから降りた明日香が姫里に頭を下げる。
「天鷹さん、今日はバトルありがとう。勝っちゃってごめんね……」
「別に良いって、こっちも楽しかったし。次は負けないけどね」
 姫里がドライヴで時間を確認する。
「っと、そろそろ千里の習い事終わる時間だから、私はこれで」
「ああ。千里にも宜しく」
「うん。それと、星川さん」
 姫里の呼びかけに、明日香が首を傾げる。
「何?」
「私の事は姫里、妹の方は千里で良いから。その代わり、これから明日香って呼ばせてもらうからね」
「うん。またね、姫里さん」
「うん、それじゃ」
 そう言って、姫里が帰る。飛鳥が明日香に「おめでとう」と言った。
「これで、ようやく俺とコンビが組めるな」
「うん。結構時間掛かっちゃったけど……」
「そんな事ないさ。次はSランクだな」
「流石にそれは……。それはそうと、飛鳥君?」
「何――――ッ!?」
 突然、明日香に腕を抓られる。飛鳥の顔が歪んだ。
 明日香を見ると、見えないはずの負のオーラがハッキリと見えるような気がした
「どうして、姫里さんと仲が良いのかな?
 千里さんの方とも仲良いみたいだよね? 名前で呼んでいたし」

「いや、それは……明日香、ちゃんと事情があるんだって……」
 久しぶりに見た、明日香のヤキモチ。流石に、姫里にバトルを頼んだのは間違いだったかもしれない。
「ほ、ほら、ゴウさんとバトルする前に学校追い掛けられて、その時千里の方とぶつかった事があって……」
「それで?」
「それで、その時に助けられて、お詫びに飲み物奢ったんだけど……その時に仲良くなって……」
「そうなんだ……。あまりデートとかしてくれないのは、そう言う事だったんだ……?」
「いや、それは俺が武器作ったりとかに熱中してるからで……」
「飛鳥君の馬鹿!」
 と、明日香が抓っていた腕を離し、ぷいっと顔を反らす。飛鳥は溜め息をついた。
 後ろから明日香を抱きしめる。
「ごめん……少しはデートとかするように考えるから……」
「……約束だよ?」
「うん。これから、Aランクにランクアップしたんだし、どこかで飯食って帰ろうか」
「うんっ」
 明日香の機嫌が直った。



 翌日、この日飛鳥は人に呼ばれて、そのショップに向かった。
 小学生くらいのコネクター達がよく集まるショップ。
 いつも、チーム『レザリオン』の二人にドライヴを教えている場所だ。
「飛鳥君、ここよ」
「あ……どうも、紗雪さん」
 母の友人であり、『レザリオン』の二人の母親、紗雪だった。
 彼女のいるテーブルまで近付き、目の前の席に座る。
「ごめんなさいね。突然呼び出したりして」
「いえ、別に……えっと、今日は一体……?」
「今日は、飛鳥君に渡す物があるの」
「渡す物……?」
 そう言って、紗雪が一つのメモリースティックを取り出し、飛鳥の前に出す。
「メモリースティック? これは……」
「『レア・ウェポン』」
「――――!?」
 目を見開く。紗雪が話を続けた。
「この中には、『レア・ウェポン』の一つ、雷聖弓が入っているの」
「『レア・ウェポン』雷聖弓……?」
「ええ。雷聖弓は自ら雷の矢を生成して射る武器で、実体の矢を別で用意して使用すれば、より強力になるわ」
「どうして、これを俺に?」
「春香から頼まれていたのよ。今日この日、17歳の飛鳥君にって……」
「17歳の俺に、今日……? 何で、母さんはそんな事を……」
 飛鳥が疑問に思う。紗雪がくすりと笑った。
「今日、この日は春香が『ソード・マスター』になった日なのよ。17歳で」
「母さんが『ソード・マスター』になった日……そうか、今日が……」
 今まで知らなかった、初めて『フォース・コネクター』を決めた日。それが今日。
 紗雪が続けて、一枚の封筒を飛鳥に渡す。
「これは、春香からの手紙」
「母さんの手紙……読んで良いですか?」
「ええ」
 飛鳥が封筒の中身を取り出し、母の手紙を読む。


 私の愛する息子、飛鳥へ

 17歳、おめでとう。誕生日は違うけれど、この日を待っていました。
 あなたがこの手紙を読んでいるという事は、この日はフォース・コネクター生誕の日です。
 お母さんは、あなたと同じ歳でこの日、ソード・マスターになったのよ。凄いでしょ?

 そんなあなたへ、お母さんからプレゼント。
 本当は直接渡したかったけれど、私だとこの日まで待てないから、紗雪にお願いする事にしました。

 あなたにプレゼントするのは、雷聖弓と呼ばれるアクティブ・ウェポンです。
 雷の矢を生成して攻撃する弓ですが、この弓に実体のある矢を使用すれば、その強さを増します。

 そして、この武器は秘密兵器です。
 いつか、雷聖弓の力を借りる時が来ます。飛鳥、ちゃんと使えるようになっておきなさいね?

                                                  あなたの母より


「……秘密兵器? 紗雪さん、これって……」
「それは私にも分からないわ。春香に聞いても教えてくれなかったから」
「そうなんですか……」
 なぜ、母はこの武器を”秘密兵器”とするのか、それは全く分からなかった。
 けれど、こうやって自分に渡すのだから、何か意味があるはず。
 メモリースティックを受け取り、セルハーツに『レア・ウェポン』を転送する。
「秘密兵器については、少しずつ調べてみます。今は、母さんの言うように、使えるようになります」
「ええ。頑張ってね、飛鳥君」
「はい」



 さらに翌日。明日香は飛鳥に呼ばれて、飛鳥の家を訪れた。
 家政婦が招き入れ、家の中に入る。リビングに飛鳥の姿はなかった。
「あ、あれ……?」
「飛鳥坊ちゃんなら、まだお部屋かと」
「そうなんですか? 昨日徹夜したのかな……」
 そう言いながら、飛鳥の部屋を訪れる。
 パソコンの電源が入ったまま、椅子から後ろに倒れ落ちている飛鳥の姿があった。
 予想的中。間違いなく徹夜でもして、寝落ちでもしたのだろう。
「……起きないのかな、痛そうな気がするんだけど……」
 顔を覗き込む。思わず、ドキッとしてしまう寝顔だ。
 このままキスできるかもしれない。そう思った明日香の顔が真っ赤に染まる。
「あ、飛鳥君、朝だよ?」
 呼び掛ける。しかし、起きる気配は無い。明日香が溜め息をつく。
 そして、ふとパソコンの方へ目を向ける。
「あれ、これって……」
 アクティブ・ウェポンだ。形になっている為、明日香でも分かる。
 翼の形をしたアクティブ・ウェポン。まだ未完成なのか、カラーリングとかは無い。
 その時、飛鳥が目を覚ました。欠伸をしながら、背を伸ばす。
「……体が痛い」
「そんな状態で寝るから……」
「……あー……床に傷入ってるし。父さんに怒られるな、これは……」
 首を軽く動かしながら起き上る。そして、ようやく明日香に気づいた
「……あれ、明日香?」
「何?」
「何でいるの……?」
「何でって……飛鳥君が私を呼んだからだけど……」
 それを聞いた飛鳥がぽんと手を叩く。
「……昨日連絡したんだっけ……」
「もう……。それで、今日はどうしたの?」
「準備するから、一緒にショップに行こう。今日、バトルするから」
 その言葉に、明日香が驚く。
「バトル?」
「そ、コンビバトル。俺と明日香で、コンビとしての初めてのバトル」
 そう言いながら、ドライヴを手にする飛鳥だった。



 待ち合わせのショップで、彼はイラついていた。
 来ない。時計を見ると、ついに約束の時間になった。
「……遅い。こう言う待ち合わせは、基本5分前が原則だ!」
「まぁまぁ……。今日は休みなんだから、そこまで拘らなくても良いじゃない」
「そうだけど……」
「悪い、少し遅れた」
 そんな時、飛鳥と明日香が姿を見せた。彼が「遅い!」と声を上げる。
「お前の方から約束して来たのに、1分の遅刻だぞ、蓮杖!」
「それ位、別に良いだろ……。バトルを受けてくれたのには感謝してるけどさ、生徒会長」
「学校以外で生徒会長と呼ぶな!」
「まぁまぁ……」
 そんな彼――――生徒会長であり、チーム『アンリミテッド』のリーダーである剣那悠太を彼女がなだめる。
 そして、明日香の方を向いて挨拶を始めた。
「初めまして。蓮杖君と同じクラスの弓音真依です」
「は、初めまして……えっと、星川明日香です。今日は宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しくね。もしかして、蓮杖君の彼女?」
「え……!? う、うん……」
 弓音の言葉に、明日香が顔を赤くしながら頷く。
「そうなんだ。蓮杖君、可愛い彼女だね……って、また……」
「それで、Sランクには上がったのか、お前?」
「当然だ! 真依……じゃなくて、弓音もAランクになった」
「生徒会長、一応言っておくぞ? お前と弓音さんが付き合ってる事、俺は知ってるからな?」
「何だと!?」
「本人から聞いてるから、これでも」
「蓮杖、お前いつの間に真依とそんな親しく……!」
「いつの間にって、1年の時から一緒のクラスだし、俺」
「蓮杖ぉぉぉっ!」
 生徒会長、再び暴走。真依が呆れたかのように笑いながら、再びなだめた。
 飛鳥がドライヴを構える。
「とにかく、始めようぜ。ルールはコンビバトル、ハンデは俺だけで良い」
「い、良いの?」
「蓮杖君、いくら『ソード・マスター』だからってそれは……」
「じゃないと、公平にならないだろ。ただでさえ、バトルしたくてもできない事の方が多いんだし……」
 そう、最近の飛鳥はバトルの相手を選ぶだけで苦労していた。
 理由は一つ。『ディフェンド・キング』ゴウボーグ=レンダリムとのバトルで勝利したからだ。
 あれ以来、誰もが飛鳥の強さを事実上認めてしまい、最強のコネクターとまで言われている。
「トーナメントで最強のコネクターの称号を貰った奴が可哀相だよ、本当に。知り合いだけど
「あはは……」
「じゃあ、ハンデは蓮杖君だけ設定で……これで良かったよね、設定の仕方?」
「うん。審判もコンピュータに任せて、フィールドは……ランダムで良いか」
 真依の隣で一緒にバトルの設定を行う飛鳥。
 それを見ていた明日香がヤキモチを妬いているのは言うまでもない。そして、剣那悠太も
 設定が完了し、コクピットランサーから『Connect-Battle Stand by...』と表示される。
「剣那、本気で掛かって来いよ。ドライヴ・コネクト! セルハーツ、セットアップッ!」
「当然だ! ドライヴ・コネクト、ロード・プロヴィデンス!」
 飛鳥と悠太がコネクトする。それを見ていた明日香と真依がお互いに苦笑していた。
「飛鳥君と剣那君って、似てるような気がする……」
「星川さんもそう思った? 似てるよね、あの二人……」
 そう言うが、実はこの二人も似ている意見があるのは余談である

 飛鳥&明日香、悠太&真依によるバトルが始まった。



次回予告

 明日香「ついに始まりました、『Drive-Connect! - SPECIAL EPISODE -』!」
 飛鳥 「時間的には、『Drive-Connect!』と『Drive-Connect! - ULTIMATE EPISODE -』の間だな」
 明日香「そうだね。早速、飛鳥君の『レア・ウェポン』について明らかになったからね」
 飛鳥 「いや、それは『Drive-Connect! - ULTIMATE EPISODE -』でも書いてあるんだけど……」
 明日香「え……?」

  次回、CONNECT02.『飛鳥の大変な一日』


 飛鳥 「だから、何で俺が……」

 明日香「次回は……飛鳥君、大変だね……」
 飛鳥 「言うな……思い出したくないから……」
 明日香「あはは……」
 飛鳥 「次回もドライヴ・コネクト!」
 明日香「ドライヴ・コネクト! そう言えば、私達のコンビ名は?」
 飛鳥 「次回までの秘密って事で」



CONNECT02. >>

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