バトル・フィールドに存在する巨大なドライヴ。 クリムゾン・ティアーズを握り締め、『ディフェンド・キング』を待っている。 『まだ来ないのか、ディフェンド・キングは……』 「俺ならここにいるぞ、”グレート・ビックフット”!」 握る拳に衝撃を受ける。クリムゾン・ティアーズが手から離れた。 落下するクリムゾン・ティアーズを受け止める一体のドライヴ。巨大なドライヴが睨む。 一切の乱れがないほど美しい純白で仕上げられ、巨大な盾を持つプラディ・ラ・グーン。 ゴウの鋭い瞳が敵を睨みつける。そして、クリムゾン・ティアーズの紅葉に声をかけた。 「紅葉、無事か?」 「リー……ダー……申し訳……ありません……」 「気にするな。相手が相手だった……ここは、俺に任せてコネクト・アウトをするんだ」 「はい……リーダー……」 クリムゾン・ティアーズがコネクト・アウトする。 巨大ドライヴ――――『ダーク・コネクター』幹部のグレート・ビックフットが口を開いた。 『盾の王のドライヴにしては、小さいものだな』 「何とでも言うが良い。メンバーの受けた痛み、許しはしない!」 プラディ・ラ・グーンのカメラアイが一瞬だけ光を増す。 「『ディフェンド・キング』ゴウボーグ=レンダリム、参るッ!」 『面白い。ジャイアント・サイクロプスがどれほど通用するか試させてもらうぞ!』 ショップの入り口。走り去る亜美の姿を見つけた飛鳥が、その姿に首を傾げる。 「……今の亜美ちゃんだよな……?」 なんとなく、何が起きたか予想はできているが、今は時間がない。 構わずバトル・フィールドの方へと向かう。その時、落ち込んでる勇治の姿は見えた。 思わず立ち止まり、深く肩を落とす。 「落ち込んでるし……つか、やっぱりか……」 「あ、飛鳥君……さっき、ゴウさんが急いでバトル・フィールドの方に行っていたけど……」 「うん、厄介な事が起きてね。ところで……」 明日香に訊く。 「……これ、何で落ち込んでるんだ? やっぱり、さっきの亜美ちゃんと関係してる?」 「う、うん……。飛鳥君が亜美ちゃんにあげたアクティブ・ウェポンの事で……」 「俺はあげた……レオハルト・シールドか」 「うん。その武器見て、勇治君が『そんな物は使うな』って言って、そこからケンカになちゃって……。 それで、怒った亜美ちゃんが『お兄ちゃんなんか大嫌い!』って言って……」 「……予想が当たったわけだ」 つまり、勇治が落ち込んでいるのは、妹に「大嫌い!」と言われたから。 そんな勇治に呆れつつ、先を急ぐ事にする。 「明日奈、勇治の馬鹿に事情話しといて」 「ええ、分かったわ」 「あれ、そう言えばどうして明日奈と一緒なの……?」 「ゴウさんに会いに行ったら偶然ね。じゃ、先急ぐから」 ちなみに、やや明日香が嫉妬していたのは言うまでもない。 バトル・フィールド。巨大ドライヴのジャイアント・サイクロプスがその拳を振り落とす。 大地を殴る拳から衝撃波が生じ、プラディ・ラ・グーンに襲い掛かる。 「アルティメットシールドッ!」 アルティメットシールドでプラディ・ラ・グーンの周囲をバリアで覆い、衝撃波を防ぐ。 そして、砲身の長い銃を構えて撃つ。 『無駄だ』 ジャイアント・サイクロプスが攻撃を防御する。しかし、どこも損傷していない。 巨大なドライヴの防御力は、とても半端なものではなかった。 アルティメットシールドから、巨大なビームアックスを取り出して構える。 瞬間、背後から一体のドライヴが現れ、襲い掛かって来た。 細身で腕と脚が異常などに長いドライヴ。両腕の爪がキラリと光る。 『ヒャーハッハッハッハッハァッ!』 「くっ、後ろからだと!?」 「フラッシングソードッ!」 背後から襲い掛かるドライヴを、飛鳥のセルハーツが駆けつけて薙ぎ払う。 「飛鳥か……助かった」 「やはり、もう一体いましたか。このドライヴは、俺が相手します」 「頼む」 プラディ・ラ・グーンとセルハーツが背中合わせに頷く。 ジャイアント・サイクロプスが出現したドライヴを睨む。 『何しに現れた、アテ・デーモドコス!』 『ヒャハハハハハハッ! テメェだけの手柄じゃねぇって事だ、グレート・ビックフットさんよぉ!』 『何だと……?』 途端、大地が揺れ、ジャイアント・サイクロプスの前に二体のドライヴが姿を見せる。 全身をローブで覆い隠しているドライヴと、ヴォルト・デュラハンのドライヴ。 飛鳥が舌打ちする。 「チッ、2対4……!」 「ティシフォネの盾……なるほど、あのドライヴが『ダーク・フォース』か」 ゴウが『ダーク・フォース』を睨みつける。 『お嬢様……それに、ナイトメア・クイーン様……』 『相手はソード・マスターとディフェンド・キング。どちらも最強の一角です』 『その為、クイーン様自ら動き出したと言う事ですわ、グレート・ビックフット』 ヴォルト・デュラハンの言葉に、グレート・ビックフットが黙る。 「……どうしますか? 流石に、俺とゴウさんだけじゃ難しいですよ……」 「勇治とマリアは?」 「勇治はともかく、マリアは連絡がついてません。多分、バトル中だと思います」 「……そうか」 『広範囲の攻撃ができないドライヴだと、大変ですね。ディフェンド・キング』 二人の会話に、『ナイトメア・クイーン』が割り込む。 『アルティメットシールドは手に入れさせて頂きます』 「……やれるものならやってみるが良い。この俺は、そう簡単には負けん!」 プラディ・ラ・グーンが構える。飛鳥はやはり思い出せなかった。 聞き覚えのある『ナイトメア・クイーン』の声。 (どこだっけ……どこで聞いたんだっけ……?) 『ヴォルト・デュラハンとアテ・デーモドコス、あなた達はソード・マスターを』 (誰だ……誰だっけ……?) 必死に思い出す。 ――――頑張ってね。きっと、飛鳥君なら良いコネクターになれるよ。 瞬間、昔の出来事を思い出した。優しく微笑んでくれる人の顔が浮かび上がる。 「……っ! こよみ……こよみさん……!?」 飛鳥の言葉に、ゴウが反応する。セルハーツが『ナイトメア・クイーン』の前に立つ。 信じられないが、間違いない。この声は知っている人の声だ。 「こよみさん……こよみさんですよね!? こよみさんなんですよね!?」 『…………』 「……なぜ……なぜ、こよみさんが『ダーク・コネクター』に……!? なぜ、あなたが『ダーク・フォース』なんですか……!? 教えてください、こよみさん!」 『私はそのような名ではない』 彼女が冷たい瞳で飛鳥を見る。 『私の名はスティア。ダーク・フォースが一人、ナイトメア・クイーン』 「そんなわけない! だって、こよみさんは……」 『そのような名ではありません、ソード・マスター』 「こよみさん!」 ジャイアント・サイクロプスが左腕に装備しているものをセルハーツへ向ける。 巨大な砲身が特徴的なグレートランチャー。グレート・ビックフットが言う。 『このお方は、お前が呼ぶ者ではない』 「違う! こよみさんだ! あの声はこよみさんだ!」 『黙れ、ソード・マスター』 グレートランチャーが放たれる。瞬間、攻撃が上空へと軌道を変えた。 空中に姿を見せる暗黒のドライヴ――――イブリスの駆るエヴィル・アスラフィルが現れた。 飛鳥の様子を見つつ、口を開く。 『作戦は成功です。撤退をお願いします、ナイトメア・クイーン』 『撤退だと? イブリス、今ここで奴らのレガリアを奪う時ではないのか!?』 『ヒャハハハハハハッ! イブリスさんよぉ、悪い冗談はよしてくれよぉ!?』 グレート・ビックフットとアテ・デーモドコスが言う。イブリスが鋭い瞳で二人を睨む。 『作戦は終了だ。命令を聞かないのならば、私自ら相手になろうか?』 いつものイブリスの口調が変わり、二人を怯ませる。 そして、『ナイトメア・クイーン』が命令した。 『作戦が終了であれば、ここで撤退します。よろしいですね?』 『ええ、了解ですわ、クイーン様』 『……了解しました』 『ヒャハハハッ! 命だけは惜しいからなぁ!』 『では、撤退します』 「こよみさん!」 セルハーツが、飛鳥が『ナイトメア・クイーン』を止める。 瞬間、『ナイトメア・クイーン』のドライヴが、セルハーツを攻撃した。 放たれるビーム。飛鳥が直感的に避ける。 「――――!?」 『言ったはずです、そのような名ではないと』 そして、『ダーク・コネクター』達は姿を消した。 次回予告 明日香「こんにちは、明日香です」 優 「やっほ〜、先代『マグナム・カイザー』の優です」 郁美 「同じく、先代『ストーム・クラウン』の郁美です」 明日香「え……先代のお二人が次回予告ですか?」 優 「そ。よろしく」 郁美 「と言っても、ナイトメア・クイーン編限定だけれど」 明日香「そ、そうなんですか……」 次回、CONNECT36.『こよみさん』 優 「次回は、あすあすとこよちゃんの話」 郁美 「そう言えば、明日香ちゃんは、こよみちゃんを知っていたかしら?」 明日香「何度か会った事ありますけど、詳しくは……」 優 「じゃ、あすあすとこよちゃんの深い関係も知らないと」 明日香「え、ふ、深い関係……!?」 郁美 「とりあえず、それは次回で分かるわ」 明日香「うぅ……き、気になって仕方ないですよ、凄く……」(←気になると眠れないタイプ) |
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